「小論文の採点基準ってなに?」大学入試での評価や文字数の基準は?

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小論文の基本

小論文の採点基準ってそもそも何なの?

数学や国語などと違い、いまいち小論文の採点基準って分かりませんよね。

大学入試で小論文の必要な受験生が、「小論文の採点基準を知りたい!」と思うのも当然で、「高得点を取って合格したい!」と思っても、何をどうすれば点数につながるのか分からければ、学習にも身が入らないと思います。

そこで、とくに大学の中で用いられている小論文の採点基準について、高得点をとるための書くべき文字数なども含めて説明していきましょう。

この記事を書いた人
飛田 弘一

小論文の独自研究家・指導者。

Amazonにて400部突破『小論文の手引き』の著者。

大学卒業後、書籍の誤字・脱字を確認する校正の仕事を経て、学生時代に小論文がまったく書けず受験で悔しい思いをした経験から、書店の小論文の参考書は延べ100冊以上を読み、また小論文の講座を30以上受講するなど、小論文の独自研究に没頭する。

そこで得た知見から、誰でも実践できる分かりやすい小論文の書き方を構築。

小論文が書けない人の気持ちを誰よりもよく分かる指導者を自任し、決して上から目線にならない丁寧な小論文の指導を心がけている。

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大学入試での小論文の採点基準とは?

まず「大学入試での小論文の採点基準とは、どのようなものか?」を見ていきます。

これを知っていれば、「この部分に気をつけて書いていけばいいんだな」という練習の方針が決まりすので、ぜひ見ていきましょう。

小論文の採点は減点方式

まず小論文の採点方法は、減点方式が基本となっています。

100点満点からスタートして、減点対象になるものがあればそのつど減点し、残った点数が最終的な点数となります。

したがって、この減点が少ないほど高得点が取れます。

とはいえ、100点満点を目指す必要はありません。それは現実的に無理だからです。

採点基準はあるものの、とくに内容評価の面では採点する人によって何を減点対象にするのかが分からないので、あらかじめ予測して満点を狙うのは現実的ではないからです。

おおよそ合格ラインが6割と言われているので、初期の練習段階ではとりあえず6割に届く練習を行い最終的に試験までには7~8割程度を狙えるように準備をしておくと良いでしょう。

小論文の採点基準は大きく分けて2つ

小論文の採点基準はいくつかありますが、大きく分けて2つになります。

まず1つは形式的な基準です。

形式的な基準とは、「問題の聞かれたことにすべて答えているか」「段落分けが適切に行われ見た目が整っているか」「指定文字数の9割を書いているか、字数オーバーしていないか」「誤字・脱字はないか」「表現や文法に誤りはないか」など、誰が見てもハッキリ採点できる基準です。

そして、2つ目は内容評価の基準です。

内容評価の基準は、「意見が根拠に裏づけられているか」「論理の飛躍がないか」「独自性があるか」など、採点者によって評価が分かれる基準です。

これら大きく分けると2つの基準によって、評価をしていきます。

小論文の練習の初期段階では、あえてこれらは意識しなくても構いません。最初から意識するとかえって何も書けなくなるからです。

ある程度書けるようになってから、とくに1つ目の基準はハッキリしているので、形式的なところ、つまらないところで減点されないために意識して取り組みましょう。

大学が取り入れている小論文の採点基準

ここでは小論文を採点する大学側の採点基準・方法などを見ていきます。

これを見ると手書きで書く小論文で気をつけるべき点も分かるので、しっかり見ていきましょう。

小論文の評価・採点は複数人で行っている

小論文の評価や採点は、できるだけ評価の偏りを排して公平性を保つために、数名の採点担当者によって1つの答案が採点されます。

そして、その数名の採点担当者による平均点で最終的な評価が決まります。

先ほども言いましたが、ここで採点基準の1つである形式的な基準は、しっかり押さえておきたいところです。

以下、形式的な基準の減点ポイントを4つ紹介します。

【減点ポイント➀】問題にきちんと答えているか?

「問題に答えるなんて当たり前だろ!」と思うかもしれませんが、意外ときちんとできていない人が多いです。

問題のこの部分は答えているけど、この部分の文言には答えていない
問題の図やグラフなどを全く無視している
そもそも問題を踏まえずに、自分の書きたいことを書いている

当たり前のようで、問題に書かれていることに答えない、踏まえないで書いている人が多いので気をつけましょう。

この図やグラフのうち、3つを取り入れて答えなさい」など、指定する文言がなければ、聞かれていることにはすべて答えて、添付資料の全ての図やグラフの内容を踏まえて書きましょう

【減点ポイント②】表現や文法の誤りはないか?

小論文を書いていく際に「書き言葉になっているか」、「い抜き言葉」や「ら抜き言葉」がないか、などに気をつけましょう。

「エビデンス」「サステナブル」など、今どきの言葉づかいを不必要に書くことも避けます。

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【減点ポイント③】誤字・脱字はないか?

誤字・脱字は最も分かりやすい減点対象です。

漢字の誤字・脱字、名称の誤りなどに気をつけましょう。

練習の時から知らない漢字が出たら調べる、書いていてうろ覚えの漢字があれば漢和辞典などで調べてみます。

字が汚い、薄いということにも気をつけましょう。いずれも読みにくいので、字は達筆でなくても丁寧に書き、字が薄い人は濃く書くように意識しましょう。

【減点ポイント④】原稿用紙の使い方は正しいか?

原稿用紙が正しく使えているかどうかも重要な減点ポイントです。

書き始めと改行時は1字下げる、タテ書きとヨコ書きでの数字の書き方、小さい文字やカッコ、句読点の打つ位置など、原稿用紙のマス目を正しく使えているでしょうか。

原稿用紙の使い方は、別記事で紹介する予定ですが、信頼できる大人に添削をしてもらい確認しましょう。

小論文の文字数に対する採点基準は?

最後に採点基準のもっとも重要な要素の1つである、小論文の書く文字数に対する採点基準を見ていきたいと思います。

指定文字数の9割は書く

指定文字数の9割以上を書き答案を完成させましょう。

「800字以上」「800字程度」「600字以上~800字以下」の場合、いずれも上限を800字として、800字の9割以上である720字以上~800字以下で書いていきます。

字数オーバーは1字でも大幅減点なので、気をつけてください。

どうしても上限の9割を書けない場合は、最低でも8割以上は書きます。

無駄に内容を膨らませたりするのは、採点者にすぐに見抜かれて心証を悪くしますが、指定文字数の8割しか埋まらないという場合は、問題に合わせて具体例を挙げてみます。

または、もう少し別の視点での考えも取り入れるなどして内容を深めてみましょう。

もちろん字数オーバーしない範囲で、内容を膨らませて指定文字数の上限の9割を書くことを目指してください。

形式的な減点を減らし、一貫した文章を書く

これまで大学入試での小論文の採点基準について見てきましたが、合格点を得るコツは【減点ポイント】で上げた形式的な基準の減点を減らし、問題に合わせて一貫した自分の文章を書くことです。

それは減点を減らすとともに、内容評価を高めて合格点へ近づくことに他なりません。

形式的な減点を減らし、一貫した文章を書くには、やはり正しい練習方法によってどんどん小論文を書いていくことに尽きます。

正しい練習方法によって書いた答案を、信頼できる大人の添削を経て、修正点を踏まえたうえでまた書くということを繰り返す。

この正しい練習が形式的な減点を減らし、一貫した文章へとつながります。こうなれば減点はおのずと減って不合格のリスクは低くなるでしょう。

また、この正しい練習方法により、分かりやすい構成の書き方や独自性などが自然と身につき、減点方式の中の数少ない加点ポイントとなって、あなたの答案を合格に近づけます

みなさんも、正しい練習方法によって小論文の書く練習を行い、数か月後にはぜひ合格を勝ち取りましょう。

      採点基準まとめ

  • 小論文の採点基準は大きく2つ(形式的な基準と内容評価の基準)
  • 形式的な減点を減らし、内容評価を高める
  • 合格には、正しい練習方法が必要

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