小論文で、「改行は何回すればいいの?」「どのタイミングで改行すればいいの?」と悩んでいませんか?
小論文の改行は読みやすさと論理展開の明確さを左右する重要な要素です。
基本的には「序論・本論・結論」の三部構成に合わせて改行し、文章の流れを整理することが大切。
小論文の改行タイミングは、話題が変わるとき、新しい視点を導入するときなど、思考の流れに変化がある箇所が効果的。
この記事では、小論文の改行のコツを実例とともに解説します。
今回学ぶこと
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小論文の改行は何回するの?
小論文における改行は、文章の構成や読みやすさを左右する重要な要素です。適切な改行を入れることで論理展開が明確になり、採点者に好印象を与えることができます。
さっそく改行について見ていきましょう。
序論・本論・結論を基本にする
小論文の改行回数は、基本的に「序論・本論・結論」という構成に沿って行うことが効果的です。
この三部構成は小論文の基本形であり、各部分の区切りで改行することで文章の内容が明確になります。
序論から本論へ移るとき、また本論から結論へ移るときに改行を入れましょう。特に400字以上の小論文では、適切な改行がないと文章が詰まって見え、採点者が読みにくく感じてしまいます。
自分の書いた文章だと分かりにくいのですが、人が書いた文章で適切に改行されていない文章を読むと本当に読みにくいですよ。
また改行をすることで視覚的にも区切りが分かりやすくなり、論理構成が整っているという印象を与えることができます。
見た目の印象が良いと、きちんと読んでみようという採点者の心理が働きます。
ただし、字数制限がある場合は、改行によって字数をロスしないよう注意が必要です。改行は文章の流れを整理するためのものであり、単なる字数稼ぎと思われないよう適切に使いましょう。
序論・本論・結論の構成おさらい
小論文で改行を考える前に、序論・本論・結論の役割をおさらいしておきましょう。

序論では課題に対する問題提起や現状認識を示します。ここでは、テーマについての基本的な理解と、これから展開する論点の方向性を示すことが重要です。
本論では自分の意見とその根拠を論理的に展開します。なぜそう考えるのか、どのような事例や経験からその考えに至ったのかを具体的に述べることで、説得力のある文章になります。
そして結論では、これまでの議論をまとめ、解決策や今後の展望を示します。
この三部構成の間で改行を入れることで、論旨が明確になり、読み手は筆者の主張を理解しやすくなります。
構成部分 | 内容 | 役割 |
---|---|---|
序論 | 課題に対する問題提起や現状認識 | テーマについての基本的な理解と、展開する論点の方向性を示す |
本論 | 自分の意見とその根拠の論理的展開 | なぜそう考えるのか、どのような事例や経験からその考えに至ったのかを具体的に述べる |
結論 | これまでの議論のまとめ | 解決策や今後の展望を示す |
各部分がどのような役割を担っているかを理解した上で、適切な改行を心がけると、論理的で読みやすい小論文になるでしょう。
平均して200字ごとに改行
小論文において改行の目安となるのは、平均して200字程度ごとに行うことです。
これは単なる字数の問題ではなく、一つの段落で扱う内容のまとまりを考慮したものです。
一般的に200字程度の段落が最も読みやすいとされており、採点者の負担を減らすことができます。
また、改行する際は次の行の最初を一マス空けることで、段落の切り替わりを視覚的に明確にします。
文字数 | 段落数 |
---|---|
200字以下 | 改行しない |
400字 | 2 |
600字 | 3 |
800字 | 4 |
1000字 | 5 |
ただし、改行のタイミングは内容の切り替わりを優先すべきです。話題が変わる、新しい論点を導入する、例示から説明に移るなど、論理展開の節目で改行すると文章の流れがスムーズになります。
無理に200字に合わせるのではなく、内容のまとまりと読みやすさを考慮して改行を入れるようにしましょう。
適切な改行は、あなたの論理的思考力の高さを示す重要なシグナルとなります。
小論文に明確な改行ルールは無い
小論文における改行について悩む受験生は多いものですが、実は厳密に決められたルールは存在しません。
むしろ、文章の内容や論理展開に応じて適切なタイミングで改行することが大切です。改行の主な目的は読みやすさと論理構成の明確化にあります。
話が変わるところで改行
小論文では、話題や論点が切り替わるタイミングで改行するのが基本です。
新しい視点を導入するとき、別の事例に移るとき、あるいは反対意見を示すときなど、思考の流れに変化がある箇所で段落を分けましょう。
例えば、インターネットの利点について述べた後に弊害について言及する場合は、その境目で改行すると読み手にとって論理の流れが把握しやすくなります。
改行によって視覚的にも内容の切り替わりを示すことで、採点者は筆者の考えの整理具合を瞬時に理解できます。
また、改行する際には次の行の冒頭を一マス空けるのが一般的なマナーです。
これにより段落の切り替わりが明確になり、読み手は新しい内容が始まることを視覚的に認識できます。
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改行は多すぎず、少なすぎず
小論文における改行の頻度は、文章全体のバランスを考慮して決めるべきです。
改行が多すぎると文章が断片的に感じられ、論理の一貫性が失われる恐れがあります。
反対に、改行が少なすぎると長い文章の塊となり、読み手に疲労感を与えてしまいます。一般的には、400字の小論文であれば2回、800字であれば4回程度の改行が適切とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、内容に応じて柔軟に調整すべきです。
採点者の立場になって考えると、適度な改行がある文章は読みやすく、論理の流れも把握しやすいものです。
また、改行のタイミングは自然であることが重要で、単に字数を稼ぐための不自然な改行は避けましょう。
最終的には、自分の主張を明確に伝えるために、内容の区切りを意識した改行を心がけることが、読みやすく説得力のある小論文への近道となります。
小論文での改行のタイミング
小論文で効果的な改行を入れるタイミングを具体的な例文で見ていきましょう。
改行は単なる視覚的な区切りではなく、論理展開のステップを示す重要な役割を持っています。以下の例文を通して、どのようなタイミングで改行するのが適切かを理解しましょう。
例文1
近年、スマートフォンの普及により多くの若者がSNSを日常的に利用するようになった。SNSを通じて情報収集や交流が容易になり、地理的な制約を超えたコミュニケーションが可能となった。また、災害時には迅速な情報共有ツールとして重要な役割を果たすこともある。
しかし、SNSの過度な利用は様々な問題を引き起こしている。依存症の増加や睡眠不足、対面でのコミュニケーション能力の低下など、若者の心身の健康に影響を及ぼすケースが報告されている。
SNSを利用するメリットを挙げてから、「しかし」でSNSを利用するデメリットを挙げる際に改行しています。
例文2
教育におけるICT活用は、学習の効率化や個別最適化を可能にする。タブレットやデジタル教材を活用することで、生徒は自分のペースで学習を進められるだけでなく、即座にフィードバックを得ることもできる。教師にとっても、指導記録の管理や教材作成の効率化というメリットがある。
また、ICT活用は生徒の情報活用能力を育成する面でも重要である。現代社会では情報を適切に収集・分析・発信する能力が不可欠であり、学校教育においてもその育成が求められている。
ICTの学習の効率化というメリットを挙げた後に、「また」でICTの情報を活用する能力の育成という課題を挙げるときに改行しています。
例文3
日本の高齢化は世界に例を見ないスピードで進行している。65歳以上の人口比率は既に全人口の28%を超え、2040年には35%に達すると予測されている。この急速な高齢化は医療費の増大や労働力不足など、様々な社会問題を引き起こすことが懸念されている。
高齢化社会における課題解決には、テクノロジーの活用が不可欠だ。AIやロボット技術を導入することで、介護の負担軽減や高齢者の自立支援が可能になる。実際に、一部の施設では見守りセンサーや介護ロボットの導入が始まっている。
この例文では、問題の提示から解決策の提案へと話が展開するタイミングで改行しています。
特定の接続詞がなくても、「現状分析」から「対策提案」へ、「原因」から「結果」へ、「過去」から「未来」へというように、論理の流れに明確な変化がある場合は改行するのが効果的です。
このような改行は、小論文の構成要素(序論・本論・結論)の切り替わりや、一つの主張からその具体例へ移る際などにも適しています。
話の変わり目を適切に見極めて改行することで、論理的で読みやすい文章になります。
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