構成も意識してみよう!高校生の読書感想文の書き方(例文つき)

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作文

「高校生の読書感想文の書き方って、中学生の時と何が違うの?」「どうやって書けば評価の高い感想文になるの?」と悩んでいる高校生の皆さん、その不安はよくわかります。

高校生の読書感想文では、より深い思考力と論理的な構成力が求められ、単なる感想を述べるだけでは不十分です。

この記事では、「だ・である」調の使い方から他文献の引用テクニック、効果的な構成方法まで、高校生らしい質の高い読書感想文を書くための具体的な方法を作文例も含め詳しく解説します。

中学生との違いを理解し、大学入試や将来のレポート作成にも役立つ実践的なスキルを身につけましょう。

中学生とは一味違う読書感想文の書き方

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この記事を書いた人
飛田 弘一

小論文の独自研究家・指導者。

Amazonにて400部突破『小論文の手引き』の著者。

大学卒業後、書籍の誤字・脱字を確認する校正の仕事を経て、学生時代に小論文がまったく書けず受験で悔しい思いをした経験から、書店の小論文の参考書は延べ100冊以上を読み、また小論文の講座を30以上受講するなど、小論文の独自研究に没頭する。

そこで得た知見から、誰でも実践できる分かりやすい小論文の書き方を構築。

小論文が書けない人の気持ちを誰よりもよく分かる指導者を自任し、決して上から目線にならない丁寧な小論文の指導を心がけている。

飛田 弘一をフォローする

高校生の読書感想文の書き方

高校生の読書感想文では、中学生時代とは異なる表現力や深い思考が求められます。ここでは、より高度な読書感想文を書くための具体的なテクニックを紹介します。

書き方の基本

まず読書感想文の書き方の基本は、中学生の読書感想文の書き方と同じなので以下をご覧ください。

「コツをつかめば簡単!」中学生の読書感想文の書き方(例文つき)
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「だ・である」調で書くことがオススメ

読書感想文は「だ・である」調、「です・ます」調どちらで書いても良いのですが、高校生の読書感想文では、「だ・である」調で書くことを強くおすすめします。

それは近い将来の大学入試で課される小論文や、大学に入ってレポートを書くときに「だ・である」調で書く書き方にいち早く慣れておくためです。

また「です・ます」調は親しみやすく丁寧な印象を与えますが、高校生の読書感想文という学術的な文章においては、やや幼い印象を与えてしまう場合があります。

一方、「だ・である」調は論理的で力強い表現が可能になり、自分の意見や感想をより明確に伝えられます。

ただし、「だ・である」調を使用する際は、文体の統一を徹底することが重要です。

一度決めた文体は最後まで貫き通し、途中で「です・ます」調に変わることがないよう注意しましょう。

また、硬すぎる表現にならないよう、適度に感情を込めた表現も取り入れることで、読み手に親しみやすい文章にすることができます。

他の文献を引用する

より質の高い読書感想文を目指す場合は、読んだ本以外の文献を引用することも効果的な手法です。

他の文献を引用することで、自分の感想や意見により深みと説得力を与えることができ、多角的な視点から作品を分析できるからです。

引用できる文献には、同じ作者の他の作品、関連するテーマを扱った書籍、新聞記事、専門家の論文などがあります。

例えば、戦争をテーマにした小説を読んだ場合、歴史的事実を記載した資料や、同じテーマを扱った他の作品からの引用を織り交ぜることで、より深い考察が可能になります。

引用する際は、必ずどこから引用したのかを明記することが重要です。「○○著『△△』によると」「新聞○○の記事では」といった形で出典を明確にしましょう。

ただし、引用に頼りすぎると自分の感想が薄くなってしまうため、あくまで自分の意見を補強する材料として適度に活用することが大切です。

高校生の読書感想文の構成

読書感想文を効果的に書くためには、明確な構成を意識することが不可欠です。ここでは構成の基本となる要素と、より深い思考を促すアプローチについて解説します。

構成は「序論」・「本論」・「結論」

高校での読書感想文の構成は、序論・本論・結論の三段構成で組み立てることが最も効果的です。この構成を意識することで、論理的で読みやすい文章を書くことができ、読み手にとって理解しやすい構造になるからです。

序論では、選んだ本のタイトルや著者名を明記し、その本を選んだ理由や第一印象を述べます。

本論は読書感想文の核となる部分で、本を読んで感じたことや考えたことを具体的なエピソードとともに詳しく展開していきます。この部分が全体の約7割を占めるため、最も力を入れて書く必要があります。

結論では、本を読んで得た学びや気づき、今後の自分への影響について述べます。

単なる感想の繰り返しではなく、読書体験を通じて自分がどのように変化したかを明確に示すことが重要です。この三段構成を守ることで、筋道立った説得力のある読書感想文を完成させることができます。

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  1. 書く構成は、「序論」・「本論」・「結論」

理由を具体的に考える

読書感想文では、「面白かった」「感動した」といった表面的な感想だけでなく、なぜそう感じたのかという理由を具体的に掘り下げることが重要です。

理由を明確にすることで、読み手に説得力のある文章を提供でき、自分自身の思考も深めることができるからです。

例えば、「主人公に共感した」と書く場合、なぜ共感したのかを詳しく分析してみましょう。主人公の行動のどの部分に共感したのか、自分の体験や価値観とどのような共通点があったのかを具体的に述べることが大切です。

「主人公が困難に立ち向かう姿勢に共感したのは、私も部活動で挫折を経験し、それを乗り越えた経験があるからだ」といった具合に、自分の体験と結びつけて説明します。

このように理由を具体化することで、単なる感想文から、深い思考を伴った質の高い読書感想文へと変化させることができます。

常に「なぜ」という問いを自分に投げかけながら文章を組み立てていくことが、説得力のある読書感想文を書く秘訣です。

物事の仮定も考えてみる

読書感想文で高い評価を得るためには、本の内容を単純に受け入れるだけでなく、「もしも」という視点を持つことが大切です。

高校生になると、読書感想文に奥行きや深さが求められ、論理性が重要になります。

例えば、主人公が別の選択をしていたらどうなっていたか、現代社会にその物語の設定が適用されたらどんな問題が起こるかなど、様々な角度から考えてみましょう。

この「もしも」の視点は、あなたの思考力や創造性を読み手に伝える効果的な方法となります。

ただし、根拠となる情報源があることや話の主旨が一貫していることがポイント なので、単なる空想ではなく、本の内容に基づいた論理的な仮定を立てるよう心がけてください。

このような多角的な視点を持つことで、他の生徒とは一線を画す深みのある読書感想文を書くことができるでしょう。

本選びの方法

読む本を何にすればいいのか分からないという人のために、ここでは出版社から出されている『高校生に読んでほしい50冊』をもとにオススメの本を見ていきます。

高校生に読んでほしい50冊

以下、様々なテーマの本を扱った高校生に読んでほしい50冊の紹介です。

『高校生に読んでほしい50冊』

上記の中のオススメ3選

  • 三浦しをん『きみはポラリス』
  • 加藤 陽子『それでも日本人は戦争を選んだ』
  • 三島由紀夫『葉隠入門』

他の選び方

上記以外でも学校の推薦図書や課題図書、名作と言われる本や短編集でもよいでしょう。

本選びに迷ったら、とりあえず文庫本になっている有名な本を選んでみても良いですね。

高校生になれば自分で本選びはできるでしょうから、「明らかに読書感想文に適さないよねという本以外、自分の興味のある本、手に取ってパラパラと見て読んでみたい本を選んでも良いかもしれません。

本選びに正解はないので、気楽に考えて選びましょう。

高校生の読書感想文の例

高校生の読書感想文は単なる内容の要約ではなく、作品を通じて得た自分なりの気づきや成長を表現することが重要です。

以下の例文では、三島由紀夫の『葉隠入門』を題材に、現代に生きる高校生としての視点から作品への理解を深めていきます。

例文(三島由紀夫『葉隠入門』2000字以内)

題名:生きる姿勢を教えてくれる三島由紀夫の『葉隠入門』

私は今まで武士道について漠然としたイメージしか持っていなかった。時代劇で見る切腹のシーンや、教科書で学んだ封建制度の厳しさといった表面的な知識にとどまっていたのである。しかし、三島由紀夫の『葉隠入門』を読み、武士道に対する認識が根本から変わった。この作品を通じて、真の武士道は死への恐怖を乗り越えた先にある、生きる姿勢そのものであることを理解した。

三島が強調する「武士道というは、死ぬ事と見つけたり」という葉隠の根本思想は、初めは理解し難いものだった。なぜ死を前提とした生き方が美しいとされるのか、現代を生きる私には疑問であった。ところが三島の解説を読み進めるうちに、これは死を美化しているのではなく、死を覚悟することで初めて真の自由を得られるという哲学だと気づいた。死への恐怖に支配されない人間こそが、本当の意味で主体的に生きることができる。この考え方は、現代社会を生きる私たちにも通じる重要な視点だと感じる。

特に印象深かったのは、三島が現代社会の問題として指摘した「中途半端な生き方」についてである。彼は戦後日本の曖昧さや優柔不断さを厳しく批判し、武士道の潔さと対比させた。本書のもとである『葉隠』が書かれた江戸期には、平和な時代となり主体性や忠義を失った武士への戒めを目的としており、この指摘は現在の私たちにも当てはまる部分が多い。SNSで他人の評価を気にし、周囲に合わせることばかり考えている現代の若者の姿は、まさに三島が危惧した「主体性の欠如」そのものではないだろうか。私自身も進路選択の際、親や教師の期待に応えようとして自分の本当の気持ちを見失いそうになった経験がある。

また、武士道における「忠義」の概念についても考えさせられた。現代では個人主義が重視され、組織や集団への忠誠心は古い価値観として軽視される傾向がある。しかし三島の解釈する忠義は、盲目的な服従ではなく、自分が信じる価値のために命をかけて行動する意志の強さを意味している。これは現代でも通用する価値観だと思う。たとえば、いじめを見て見ぬふりをするのではなく、正義のために勇気を持って行動することや、困っている友人のために自分の利益を犠牲にしてでも助けることなどは、現代版の忠義といえるだろう。

三島の文章には独特の美意識と緊張感が漂っている。彼が葉隠の思想に共鳴した理由の一つに、その美学があったことは明らかである。武士が死に際に見せる潔さや、一瞬の判断に人生を賭ける緊張感は、確かに美しいものがある。しかし私は、この美学に完全に同調することはできない。命の尊さを最優先に考える現代の価値観も同様に重要だと感じるからである。三島自身の最期を思うとき、彼の思想の危険性についても考えずにはいられない。

それでも、この作品から学んだ「主体的に生きる」という姿勢は、私にとって大きな財産となった。何かを決断するとき、他人の目を気にするのではなく、自分の信念に従って行動する勇気を持ちたい。また、中途半端な態度ではなく、自分が選んだ道に責任を持って取り組む姿勢を身につけたい。受験勉強や部活動においても、この武士道的な覚悟を持って臨むことで、より充実した高校生活を送ることができるはずである。

現代社会は多様性が重視され、昔のような厳格な価値観は通用しにくくなっている。しかし、だからこそ自分なりの軸を持つことの重要性が増しているのではないだろうか。葉隠の思想をそのまま現代に適用することは難しいが、その精神的な強さや潔さは、現代を生きる私たちにも必要な要素だと思う。特に、SNSやインターネットによって情報が氾濫し、何が正しいのか判断に迷うことの多い現代において、まず自分の信ずるべきものを見つけてそれを貫く強さは貴重である。

『葉隠入門』を読んで、私は武士道について新しい理解を得ただけでなく、自分自身の生き方についても深く考える機会を得た。三島由紀夫の鋭い洞察と情熱的な文章は、時として極端に感じられる部分もあるが、現代社会の問題点を的確に指摘している。それは三島の抱いた危機感の本質が、現代ではより大きくなっているからだろう。この作品との出会いが、これからの人生において重要な判断を迫られたとき、自分の信念に従って行動する勇気を与えてくれることを期待している。武士道の本質である「主体的に生きる」という姿勢を、現代的な形で実践していきたいと考えている。(1806字)

読書仮想文の書くポイントは、読んだときの自分の率直な気持ちや考え、また本を読む前と後の心境などを理由を添えて書くことです。

最初は少し難しいかもしれませんが、ポイントを押さえて書くことで文章がまとまりますし、書いていくうちに「自分はこんな気持ちになったのか」「こんな心境の変化があったのか」と感想文を書くことが楽しくなりますよ。

そして一度書いたら、周りの信頼できる大人に見せて、きちんと読書感想文の文章になっているか見てもらいましょう。

読書感想文の書き方Q&A

Q:読書感想文の書き始め方は?

A:全体の分量の10%ほどを目安に、本を選んだ理由や本を読む前の自分について書くのが効果的です。

ワンランク上の感想文は出だしが特に優れており、読む相手の興味をくすぐるようなオープニングを目指すことが重要。

他人の文章をコピーすることは絶対に避け、あなた自身の率直な気持ちから書き始めましょう。

Q:読書感想文のメモの取り方は?

A:気になった箇所にふせんをつけながら本を読み、それぞれの感想をメモ帳にまとめ、ふせんを並べかえて全体の構成を考える方法が効果的です。

本の内容を整理するためにメモを取りながら読むことで、書く段階でスムーズに進められます。読みながら印象に残った場面や疑問点を記録しておくことがポイントです。

Q:感想文の膨らませ方は?

文字数カウントができるサイトを使って長さを確認しながら文章の加筆修正をすると効率的です。

体験談との関連付けや、本の内容について深く考察することで自然に文章量を増やせます。単なる水増しではなく、内容に厚みを持たせることが重要です。

Q:高校生の書く文字数は?

A:高校生は2,000字以内、400字詰め原稿用紙5枚分が一般的な基準です。

タイトル、氏名、学校名は字数に含まれず、句読点はそれぞれ1文字としてカウントし、改行のための空白も文字数に含めることを覚えておきましょう。

学校によって規定が異なる場合があるため、必ず確認してから取り組むことが大切です。

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