小論文の書き方に悩んでいる受験生の皆さん、ドラマから学ぶというアプローチを試してみませんか?
テレビ朝日のドラマ『スプリング!』は「小論文」をテーマにした珍しい作品で、主人公が「他者の視点」を学んでいく姿が描かれています。
この記事では、小論文がテーマのドラマを通じて、どのように「他者の視点」を取り入れ、説得力のある小論文を書くかについて解説します。
小論文に必要な考え方を青春ドラマから学べるので、難しい参考書よりも入りやすく、楽しみながら実践的なスキルが身につきます。
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小論文がテーマの珍しいドラマ
引用元:https://post.tv-asahi.co.jp/post-439077/
高校受験や大学受験において重要な「小論文」をテーマにしたドラマは非常に珍しいものです。
そんな中、テレビ朝日で放送された『スプリング!』は小論文を通して高校生の成長と恋を描いた注目の作品です。まず、あらすじとテーマについて簡単に見ていきましょう。
あらすじ
『スプリング!』は、第23回テレビ朝日新人シナリオ大賞を受賞した松下沙彩の脚本による青春ドラマです。
合格確実と言われていた国立大学の前期試験に失敗した優等生・逢坂碧(ほうさか・あおい)(井上和)が主人公。
落ち込む碧は、同じく不合格だった同級生の村瀬佑(むらせ・たすく)に誘われ、後期試験に向けた小論文対策の補習に参加することになります。
普段は接点のなかった二人ですが、真面目で大人しい碧と明るく人気者の佑は、小論文に取り組む3日間を通して徐々に心を通わせていきます。
これまで自分の世界に閉じこもっていた碧が、佑との交流や小論文と向き合う過程で新たな視点を得て成長していく姿が繊細に描かれています。
高校生の揺れ動く心情と淡い恋の行方に、多くの視聴者が共感しました。
テーマは小論文
『スプリング!』がドラマとして異色なのは、小論文というテーマを青春ストーリーの中心に据えた点です。
ドラマでは、小論文が単なる受験対策ではなく、自分の考えを深め、他者の視点を理解するための手段として描かれています。
主人公の碧は当初、自分の考えを表現せずに乗り切れる教科は得意でしたが、自分の意見を論理的に展開する小論文には苦手意識を持っていました。
しかし佑との対話や小論文の指導を通じて、物事を多角的に捉える力や、自分の考えを言語化する重要性に気づいていきます。
この作品は、「正解」を求めるだけでなく、自分なりの答えを見つけ、それを表現する力の大切さを視聴者に伝えています。
小論文という題材を通して、高校生の内面的成長と人間関係の発展を描いた珍しい青春ドラマといえるでしょう。
小論文に必要な「他者の視点」
引用元:https://post.tv-asahi.co.jp/post-438984/
小論文では自分の考えを述べるだけでなく、「他者の視点」を取り入れることが重要です。
ドラマ『スプリング!』でも、主人公が小論文を通して他者の立場や考え方を理解していく様子が描かれています。
なぜ他者の視点が必要なのか、そしてそれをどう取り入れるべきかを見ていきましょう。
他者の視点を持つ
小論文で高評価を得るには、自分とは異なる立場や考え方を理解する「他者の視点」が不可欠です。
自分の価値観だけで物事を判断すると、ツッコミどころが多く説得力に欠ける文章になってしまいます。
例えば環境問題について書く場合、企業側、消費者側、行政側など多角的な視点から考察することで議論に深みが生まれるのです。
他者の視点を持つには、性格や考え方の違う人と小論文の学習をすることは効果的。とくにお互いに相手の答案を見て評価することで、自分では気づかなかった視点が出てきます。
一緒に学習できる人がいなくても、信頼のできる大人の添削を受けるということが「他者の視点」を養うでしょう。
ドラマ『スプリング!』では、主人公の碧が「正解」を求めるだけだった姿勢から、佑との対話を通じて様々な見方があることに気づいていきます。
小論文は単なる知識の羅列ではなく、多様な視点を統合して自分なりの考えを構築するプロセスであり、そこに「他者の視点」が重要な役割を果たします。
現実社会の問題は一面的な見方では解決できないことが多く、複数の立場を理解することで、より説得力のある議論が展開できるようになるのです。
ひねくれた大人が納得する文章を書く
小論文の採点者は、多くの文章を読み慣れた「ひねくれた大人」です。
大学教授や企業の人事担当者は、忙しいうえに、これまで多くの受験生の答案を見てきて正直ウンザリしています。
そこでこういう「ひねくれた大人」にきちんと読んでもらうためには、一度読めば理解できる「分かりやすさ」と具体例から「なるほど!」と思える説得力です。
また彼らを納得させるには、単純な正論や理想論ではなく、現実の複雑さを踏まえた論述が必要になります。
例えば「世界平和は大切だ」といっても、なぜ「それが大切なのか?」そしてそれをどうやって実現するのかの具体的な手段が書かれていなければ評価は低くなります。
そして「世界平和は大切だが、その実現は困難だ」ということも言うまでもありません。
そこで、平和実現のための具体的な課題や障壁、そして異なる立場の人々の利害関係を理解した上で、現実的な解決策を提示することが求められます。
こういったことを踏まえて、採点者を「ひねくれた大人」と想定して書くことで、表面的な思考を避け、批判的思考を持って論を展開できるようになります。
また教師が「逢坂(碧)さんの(小論文の答案)は分かりやすさは心配ない!ただごめんね、つまんない。この人のことをもっと知りたいとまでは思わない」「逢坂さん本当に心から思ったことを書けている?」というように、小論文では自分の率直な意見が求められていることを覚えておきましょう。
このようにドラマ『スプリング!』でも、教師は表面的な答えではなく、本当に自分で考えウソ偽りのない意見を求めていました。
青春ドラマだから小論文を学ぶにも入りやすい
引用元:https://post.tv-asahi.co.jp/post-438899/
『スプリング!』は小論文というと難しく感じるテーマを、爽やかな青春ドラマとして描いているため、受験生にとって学びやすい作品になっています。
主人公の碧と佑が小論文に向き合う過程は、単なる受験テクニックではなく、自己成長や他者理解といった青春期特有の課題と自然に結びついています。
二人の関係性の変化や淡い恋心の描写が、小論文の本質的な意義を理解する助けになるのです。
例えば、「自分の考えを持つこと」や「他者の視点を理解すること」といった小論文のポイントが、登場人物たちの日常や心情変化を通して具体的に示されています。
そのため、小論文の書き方を表面的に学ぶよりも、感情移入しながら自然に理解できるという利点があります。
青春ドラマという親しみやすい形式で小論文の本質に触れられることが、この作品の大きな魅力であり学習教材としての価値だといえます。
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