「小論文を書き終えたけど、手応えなし…」
「内容が薄いと言われた…」
「そもそも小論文で差がつかないのでは?」
こういった不安を抱える受験生は少なくありません。
でも安心してください。試験後の手応え不足は合否と必ずしも一致せず、内容の薄さも適切な対策で改善できます。
この記事では、小論文試験後の不安を和らげるポイントや内容を充実させる具体的な方法、そして「小論文は差がつかない」という俗説の真偽について解説します。
適切な準備と正しい理解があれば、小論文は十分に得点源となり得ます。
今回学ぶこと
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「小論文の手応えなし」=結果ではない
小論文試験後に「これでよかったのか」と不安になるのは自然なことです。
しかし、手応えがないと感じることと実際の評価結果は必ずしも一致しません。
むしろ、自己評価と他者評価のギャップが生じるケースは少なくありません。以下のポイントを押さえて、試験後の不安を和らげましょう。
合格した人の感想
小論文で合格した受験生の多くが「実は自信がなかった」と告白しています。
後期試験で合格したある東大合格者は、試験中に「フロー状態」で集中し、自分の考えを存分に表現できたと感じたものの、合格は期待していなかったと振り返ります。
書き上げた文章に満足感はあっても、評価基準が不明確なため「これで本当に大丈夫だろうか」という不安は拭えなかったのです。
このように、試験直後の手応えと実際の結果にはズレが生じることが珍しくありません。自分の文章に自信が持てなくても、評価者の目には違って映るケースが多いのです。
合格発表で番号を見つけた時の驚きと喜びは、そのギャップの大きさを物語っています。
評価基準に沿って書けていればOK
小論文の評価は、あなたの「感覚」ではなく、明確な基準に基づいて行われます。
多くの試験では、論理性、独自性、表現力、設問の理解度などが重視されます。
たとえ「書き終えて手応えがない」と感じても、客観的な評価基準を満たしていれば合格可能性は十分にあります。
重要なのは、自分の主張が一貫しているか、構成に無理がないか、提示された資料との関連性が明確か、誤字脱字がないかなどの基本要件を満たしているかどうかです。
特に「独自の視点」は高評価につながりやすい要素です。自分では平凡だと思っても、評価者からすれば新鮮な視点かもしれません。完璧な文章を目指すのではなく、評価基準を意識した文章作成を心がけましょう。
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試験が終わったら次のことを考える
小論文試験が終わったら、もう結果は変えられません。
自分の書いた内容を何度も思い返して後悔しても、それは精神的な消耗につながるだけです。
試験直後は「もっとこう書けばよかった」という思いが浮かぶものですが、それは誰にでも起こる自然な反応です。
大切なのは、次に向けての前向きな姿勢です。他の試験科目の準備に集中したり、次の受験に向けて今回の経験から学んだことを整理したりすることで、不安なエネルギーを建設的な方向へ向けましょう。
でも、気にするなといっても気になりますよね。そういうときこそ、別のことを行うことです。
他大学や他企業の試験があるのであれば、そちらの勉強をする。その終わった試験に関係のない別の作業を無理やり行うことです。
また、信頼できる友人や家族と気分転換をすることも効果的です。試験結果を待つ時間も貴重な成長の機会と捉え、次のステップに向けた準備期間として有効活用しましょう。
「小論文で差がつかない」とは言えない
「小論文は差がつかない」という俗説を耳にすることがありますが、実際はそうではありません。小論文は適切な準備と理解があれば、十分に得点源となり得る科目です。
データや事実に基づいて、小論文の評価と差がつくポイントを見ていきましょう。
2次試験の小論文で差がつくのか?
小論文で得点に差がつくことは事実です。ただし、その差は一般的に全体配点の約1割程度と言われています。
これは根拠のない数字ではなく、多くの大学の評価基準から導き出されたものです。
小論文の評価は「誤字脱字がないか(20%)」「論理に矛盾はないか(20%)」「設問に的確に答えているか(30%)」「論旨が明確で完成度が高いか(30%)」といった基準で行われるのが一般的です。
つまり、基本的な文章力があれば70%程度の得点は確保できます。
残りの30%で他の受験生との差がつくわけですが、実際には多くの受験生が10〜15%の加点を得るため、実質的な差は10〜15%程度になります。
これは決して小さな差ではなく、合否を分ける重要な要素となり得ます。
国公立の2次試験をとってみても、小論文でこれだけ差が付けば大きいですよね。
評価基準、過去の合格点のデータを見て判断する
小論文の重要度は大学や学部によって大きく異なります。
判断するための最も確実な方法は、志望校の過去の入試データを分析することです。
共通テストの得点と最終合格者の得点分布を比較してみましょう。
もし共通テストの順位と最終合格者がほぼ一致しているなら、小論文の影響は比較的小さいと考えられます。
一方、共通テストでは下位だった受験生が合格していたり、上位者が不合格になっているケースが多い場合は、小論文が重視されている証拠です。
「小論文では逆転できない」という主張は、こうしたデータを適切に分析していない人の意見にすぎません。
志望校の入試傾向を正確に把握し、その大学が小論文にどの程度の比重を置いているかを理解することが重要なのです。
正しい方法で練習すれば差はつく
小論文は適切な練習方法で取り組めば、確実に力がつき、得点に差をつけることができます。
効果的な練習法としては、まず過去問を分析し、出題傾向と評価基準を把握することです。
次に、時間を計って実際に書く練習を重ね、できれば経験者や先生に添削してもらいましょう。特に注意すべきは「出題文をしっかり読み、求められている内容を的確に把握する」ことです。
ここで誤った判断をすると、30%もの配点を失う可能性があります。
また、「誤字脱字を減らす」「必要な箇所は漢字で表現する」「論旨と結論に矛盾がないようにする」といった基本的なポイントを押さえるだけでも70%の得点は確保できます。
さらに独自の視点や論理的一貫性を意識して練習することで、残りの30%でも高得点を狙えるようになるでしょう。
小論文ほど正しい練習、努力が結果に結びつくものは他にありません。
小論文の内容が薄いときの対処法
「内容が薄い」という指摘は、小論文でよく受ける評価のひとつです。これは単に文字数が足りないということではなく、論点の深さや広がりに課題があることを意味します。
内容の薄さを克服するための具体的なアプローチを見ていきましょう。
学習法を見直す
小論文の内容を充実させるには、日頃からの知識のインプットが不可欠です。新聞やニュースサイト、専門書籍などから様々な情報や視点を積極的に取り入れましょう。
特に志望分野に関連する時事問題や専門的なトピックについては、複数の情報源から多角的に学ぶことが重要です。
例えば、看護志望であれば医療や福祉に関する記事を定期的にチェックし、その内容について自分なりの考えをまとめる習慣をつけると良いでしょう。
また、自分の考えを深めるために「なぜ?」と問いかけを繰り返す思考法も効果的です。
知識の幅を広げることで、体験談だけに頼らない、多様な具体例を挙げられるようになります。日々の学びを小さなノートにまとめておくと、試験本番でも引き出しの多い文章が書けるようになるでしょう。

考え方を見直す
内容が薄いと感じるなら、文章の構成方法を見直してみましょう。
多くの場合、単に体験談を羅列するだけでは説得力に欠けます。
体験談はあくまで補助的な要素として位置づけ、主張を支える一部分として活用するのが効果的です。
具体的には、まず社会的な視点や客観的事実を述べ、それを裏付ける例として自分の体験を短く引用する形が望ましいでしょう。
例えば「高齢化社会における看護の役割」というテーマなら、統計データや社会問題を先に述べ、その後に「私のボランティア経験でも、こうした課題に直面した」と続けるのです。
また、一つの事象についても「メリット・デメリット」「過去・現在・未来」「個人・社会・国際」など多角的な視点で考察することで、論点の広がりと深みが生まれます。
視野の狭さを克服するには、常に「他の立場ならどう考えるか」「自分がその立場になって考える」を意識することが大切です。

添削を受けて、内容をブラッシュアップする
内容の薄さを克服する最も効果的な方法の一つが、添削指導を受けることです。
添削を受ける際には、「内容が薄い」という指摘の具体的な理由を質問し、改善点を明確にしましょう。
例えば「どの部分をもっと掘り下げるべきか」「どのような視点が足りないのか」など、具体的なアドバイスを求めることが重要です。
また、模範答案と自分の答案を比較分析することも効果的な学習法です。
優れた解答の論理展開や具体例の使い方を参考にしながら、自分の文章をブラッシュアップしていきましょう。
添削を受けた後は、同じテーマで再度書き直す練習も有効です。繰り返し推敲することで、論点の厚みが増し、説得力のある文章が書けるようになります。
継続的な添削と修正の積み重ねが、小論文の質を高める近道となるでしょう。
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