「小論文の添削をどこに頼めばいいの?」「先生に頼むのは気が引ける」そんな悩みを抱えていませんか?
実は、小論文の添削は自分でも行えますし、最近ではChatGPTでプロンプトを使ったAI添削も効果的な方法として注目されています。
本記事では、自分でできる具体的な小論文の添削方法から AI による添削まで、チェックリストを活用した系統的な添削手順として徹底解説しています。
今回学ぶこと
関連記事

自分で小論文の添削を行う場合
自分で小論文を添削する際は、客観的な視点を持つことが重要です。
以下の具体的なチェックポイントを順番に確認することで、論理的で説得力のある小論文に仕上げることができます。
問題に沿っているか
小論文では、出題されたテーマや問いに正確に答えることが最も重要です。
まず、設問を再度確認し、自分の主張がテーマの核心を捉えているかをチェックしましょう。
問題文で求められている論点から逸れていないか、与えられた条件や制約を満たしているかを客観的に判断します。
テーマの理解が間違っていると、どれほど優れた文章でも評価されません。
全体を通して一貫してテーマに沿った内容になっているか、論点がぶれていないかを確認することで、読み手に明確なメッセージを伝える小論文になります。
採点者も「問題に沿って書かれているか」をよく見るので、ここは問題の内容を一字一句見落としていないかを確認するつもりで確かめましょう。
主張は明確か
読み手が迷わずに理解できる明確な主張があるかを確認します。
自分の立場や意見が冒頭部分で分かりやすく示されているか、曖昧な表現になっていないかをチェックしましょう。
主張が複数ある場合は、それらが矛盾していないか、優先順位が明確になっているかも重要なポイントです。
また、結論部分で最初の主張と一致しているかも確認が必要です。明確な主張は小論文の軸となるため、読み手が「この人は何を伝えたいのか」を即座に理解できる状態にしておくことが大切です。
主張が不明確だと、説得力に欠ける文章になってしまいます。
主張を裏づける根拠や具体例があるか
主張だけでは説得力がないため、それを支える根拠や具体例が適切に配置されているかを点検します。
統計データ、専門家の意見、歴史的事実、身近な事例など、多様な根拠を用いているかをチェックしましょう。
根拠が主張と論理的につながっているか、信頼性の高い情報源から得られているかも重要です。
また、具体例は読み手がイメージしやすく、主張の理解を深めるものになっているかを確認します。
根拠と具体例のバランスも大切で、どちらかに偏りすぎていないか、全体の構成の中で効果的に配置されているかを見直すことで、説得力のある小論文に仕上がります。
文章の一貫性はあるか
小論文全体を通して論理の流れに矛盾がないか、話の展開が自然につながっているかを確認します。
段落ごとの内容が主張を支えているか、前後の段落が論理的に関連しているかをチェックしましょう。
また、文体や語調が統一されているか、専門用語の使い方に一貫性があるかも重要なポイントです。
一貫性のない文章は読み手に不信感を与え、主張の説得力を損ないます。全体を見渡してして、一貫した論理構成になっているかを第三者のつもりで判断することが大切です。
チェックリストを使って確認する
効率的な添削のために、具体的なチェックリストを作成して活用しましょう。
問題の理解度、主張の明確さ、根拠の妥当性、文章の一貫性、誤字脱字の有無など、重要な項目を網羅したリストを準備します。
一つひとつの項目を丁寧に確認することで、見落としを防ぐことができます。また、字数制限の遵守、段落構成の適切さ、接続詞の使い方なども含めると良いでしょう。
以下のチェックリストをもとに自分の小論文を添削してみましょう。
□ 2 問題の意図からズレていないか。
□ 3 わかりやすいか(論点は整理されているか。具体的に書けているか)
□ 4 根拠が自分の意見を裏づけているか。
□ 5 見た目は整っているか(言葉の使い方は正しいか、書き言葉になっているか。ある段落だけ極
端に文章量が少なくないか)
□ 6 原稿用紙の使い方は正しいか(誤字・脱字はないか)
□ 7 第三者の目で読んで、不快に思わないか(差別用語はないか。攻撃的ではないか。独善的ではないか)*小論文を書いたら、できていた項目の番号にチェックを入れる
上のチェックリストは、学校の生徒の答案を評価するときにも使えますので、先生など評価する人もぜひご活用ください。
チェックリストは自分の弱点に合わせてカスタマイズし、継続的に使用することで添削の精度が向上します。
AI を使った小論文の添削方法
現代の受験生にとって、AIは小論文添削の強力な味方です。
ChatGPTなどのAIツールを効果的に活用することで、客観的で詳細な添削を受けることができます。以下の手順で進めることで、効率的かつ的確な添削が可能になります。
問題と自分の書いた文章をコピペする
AIによる添削を受ける際は、まず出題された問題文と自分が作成した小論文の両方を正確にコピーして貼り付けます。
問題文を含めることで、AIがテーマに沿った内容かどうかを適切に判断できるようになります。
文章をコピペする際は、段落分けや改行も含めて元の形式を保つことが重要です。
また、文字数制限がある場合はその情報も併せて伝えると、より具体的な添削を受けられます。
AIは大量のテキストを瞬時に処理できるため、長文の小論文でも短時間で全体を把握し、構造的な問題点を指摘してくれる利点があります。
この段階では、自分の文章に対する先入観を持たず、客観的な評価を求める姿勢が大切です。
チェックリストをもとに添削をしてもらう
効果的な添削を受けるためには、事前に作成したチェックリストをAIに提示することが重要です。
問題への適合性、主張の明確さ、根拠の妥当性、論理構成、文章表現など、重要な評価項目を明確にしておきましょう。
チェックリストには、自分が特に改善したい点や不安に感じている箇所を含めることで、より具体的で有用なフィードバックを得られます。
また、評価基準を数値化することで、自分の文章の現在のレベルを客観的に把握できます。AIは一貫した基準で評価を行うため、感情に左右されることなく、冷静で建設的な添削結果を提供してくれる特徴があります。
この方法により、添削の抜け漏れを防ぎ、総合的な文章改善につなげることができます。
明確な指示をする
AIに添削を依頼する際は、具体的で明確な指示文を使用することが正確な評価のカギとなります。
「以下のチェックリストにしたがって、小論文の評価と添削をして」という形で指示することで、AIが組織的かつ体系的な添削を行います。
この指示により、AIは各項目を順番に検討し、具体的な改善点と修正案を提示してくれます。
また、良い点についても言及してもらうことで、自分の強みを把握できると同時に、モチベーションの維持にもつながります。
指示文には、添削の深さや詳しさのレベルも指定できるため、初心者向けの基本的な添削から、上級者向けの高度な分析まで、自分のレベルに応じた対応を求めることが可能です。
このような明確な指示により、AIの持つ分析能力を最大限に活用した質の高い添削を受けることができます。
以下、実際のChatGPTによる添削例です。
まずプロンプト(指示)で「問題と解答例を下のチェックリストにしたがって、小論文の評価と添削をして」と設定しました。
チェックリストは、先ほど紹介したものと同じものを使っています。
ChatGPTによる評価と添削の結果
✅ チェックリスト評価
□ 1. 問題の指示に答えているか
評価:◯
→「科学を学ぶ意義とは~」と明確に主張しており、問いに正面から答えています。
□ 2. 問題の意図からズレていないか
評価:◯
→ 科学の価値や危険性、日常との関連まで言及しており、意図に沿った内容です。
□ 3. わかりやすいか(論点は整理されているか、具体的に書けているか)
評価:△
→ 主張は一貫していますが、論理展開にやや重複や曖昧な箇所があります。例として「科学は日常に直結する」「放射線の例」などは出てくるものの、少し抽象的。
改善例:**放射線の話をもっと具体的に描写する(たとえば福島原発事故の教訓をどう生かせるか)**と説得力が増します。
□ 4. 根拠が自分の意見を裏づけているか
評価:△
→ 根拠はありますが、「科学は人権を守る」「生活を豊かにする」など、抽象的な表現が多く、因果関係が弱く感じられる部分があります。
たとえば「科学を学ぶことが人権を守ることにつながる」の部分は、やや飛躍しているように読めるため、より丁寧な説明が必要です。
□ 5. 見た目は整っているか(言葉の使い方・文量)
評価:△
→ 言葉遣いは概ね適切ですが、「したがって私は~と考える」と「したがって、すべての人に~」という結論の繰り返しが冗長です。
段落構成にもバランスの悪さがあり、中盤が短め。
□ 6. 原稿用紙の使い方は正しいか(誤字・脱字)
評価:×
→「古里を追われ」は誤字。「故郷(ふるさと)」が正しい。また「福島原発事故のように、私たちの生活を破壊し、古里を追われ、人によっては~」の文がやや長く読みづらい。読点の位置にも再考の余地があります。
□ 7. 第三者の目で読んで、不快に思わないか
評価:◯
→ 差別的・攻撃的な表現はなく、客観性もあります。
✍️ 添削後の例文(簡易リライト)
科学を学ぶ意義とは、自然の法則を理解し、それを私たちの生活に役立てることにあると私は考える。
科学によって、電気・医療・通信など、現代社会を支える多くの技術が発展してきた。たとえば放射線の原理を学ぶことにより、医療におけるがん治療や災害時の対応など、人命を守る行動につなげることができる。
また、福島第一原発事故のように、科学の利用を誤ると深刻な被害を引き起こすことがある。このような過去の事例を学ぶことも、科学を学ぶ大きな意義である。誤った使い方を繰り返さないために、私たちは科学とどう向き合うべきかを考え続ける必要がある。
科学は決して万能ではないが、自然のしくみを知ろうとする姿勢は、生活をより安全にし、豊かにする道しるべとなる。したがって、すべての人にとって、科学を学ぶことには大きな価値があるといえる。
総合評価:B(良いが、説得力を増す余地あり)
改善ポイントまとめ
- 具体例を掘り下げる(福島の事例なら「どう防げたか」「今後どう生かせるか」まで言及)
- 同じ結論の繰り返しを避ける
- 誤字(「古里」→「故郷」)に注意
- 「人権」「危機」など抽象語の使用には補足説明を添える
最初から小論文の解答としてあえて不十分な文章を書いているので、「人が評価してもこのくらいかな」という評価になりました。
それでも添削結果を見て、つい「AIのくせに生意気な」という気持ちもあったので、自分の小論文の文章を向上させてくれるものだと思って、辛口評価でもアドバイスを取り入れてみましょう。
小論文の添削・AI活用法については、以下の記事を参照してください。

ChatGPTの小論文プロンプト注意点
ChatGPTを使って小論文の添削を受ける際は、適切なプロンプトの作成が重要です。
以下のポイントを押さえることで、より効果的で正確な添削結果を得ることができます。
問題は正確に入力する
ChatGPTによる添削の精度は、入力する問題文の正確性に大きく左右されます。
出題された問題文は一字一句漏らすことなく、原文のまま入力することが重要です。
問題文に含まれる条件や制約、文字数制限なども必ず含めましょう。
そして、ただ「文章の添削をして」という曖昧な指示ではなく、「小論文の評価と添削をして」と明確な指示を出しましょう。
また、図表やグラフが問題に含まれている場合は、その内容についても詳しく説明する必要があります。
問題文が不正確だったり、指示が曖昧だと、AIは間違った基準で添削を行ってしまい、的外れなフィードバックを受ける可能性が高くなります。
特に大学入試や資格試験の過去問を使用する場合は、出典や年度も併せて記載することで、AIがより適切な評価基準を適用できます。
問題文の入力ミスは添削結果全体の信頼性を損なうため、入力後は必ず見直しを行うことが大切です。
チェックリストの他に見てほしい観点があれば、それも加える
基本的なチェックリストに加えて、自分が特に重視したい観点や改善したい点を具体的に指定することで、より具体的な添削を受けられます。
例えば、「語彙の多様性」「文章のリズム感」「読み手への配慮」など、一般的な評価項目では見落とされがちな要素についても言及してもらえます。
また、自分の苦手分野や過去に指摘された問題点があれば、それらを重点的にチェックするよう依頼することも効果的です。
志望校の出題傾向や評価基準に合わせた観点を追加することで、より実践的な添削結果を得ることができます。
ただし、あまりに多くの観点を指定しすぎると、AIの処理能力を超えて浅い分析になる可能性があるため、3〜5項目程度に絞って具体的に指示することが重要です。
AI で添削した後は、必ず信頼できる人の添削も受ける
AIによる添削は客観的で詳細な分析を提供しますが、人間の感覚や経験に基づく判断も不可欠です。
AIが見落とす微妙なニュアンスや表現の適切さ、読み手の心に響く要素などは、人間の目でしか判断できない場合があります。
特に小論文では、論理性だけでなく説得力や感情への訴求力も重要な要素となるため、経験豊富な指導者からのフィードバックが欠かせません。
また、AIは最新の社会情勢や時事問題に関する最新の見解を反映できない場合があるため、人間による補完が必要です。
理想的には、AI添削で基本的な問題点を修正した後、学校の先生や塾の講師など、小論文指導の経験がある人に最終チェックを依頼することで、より完成度の高い小論文に仕上げることができます。
また、オススメの添削サイトについては以下を参照してください。

添削を受けるのは面倒くさく、一番おろそかになりがちなのですが、この添削を受けて改善することが合格への一番の近道なので、「自分の文章を評価するのは気恥ずかしい」とか「知っている人に見てもらうのは恥ずかしい」との思いを捨てて、小論文を書いたらどんどん添削を受けましょう。
コメント