知識不足で小論文を書くのに不安を感じていませんか。
小論文は単なる情報の羅列ではなく、論理的思考と自分の考えを表現する力が試されます。
また小論文の問題が「何言ってるのか分からない」ときの対処方法や、知識の増やし方についてもご紹介します。
たとえ試験本番で自分が「知らないテーマ、予想外のテーマ」が出たとして、限られた知識でも、横断的な視点と率直な姿勢があれば、合格できる小論文を書くことは十分可能です。
この記事で、知識不足を乗り越える具体的な戦略をお教えします。
今回学ぶこと
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小論文の知識不足への対処
小論文において知識は重要ですが、単なる情報の羅列ではなく、論理的な思考と自分の考えを表現することが求められます。
以下に、知識不足を克服するための具体的なアプローチをご紹介します。
前提となる知識を知る
小論文で求められる知識は、網羅的な情報ではなく、「それをどう考えるか」という思考を支える基礎的な理解です。
テーマに対する基本的な文脈や社会的背景を把握することで、たとえ専門的な知識が不足していても、筋道の通った論述が可能になります。
重要なのは、与えられたテーマの本質を理解し、自分なりの視点で考察する姿勢です。情報収集の際は、複数の情報源を活用し、多角的な理解を心がけましょう。
ヨコ方向とタテ方向に知識を入れる
知識の獲得は、単一の分野に留まらず、ヨコ方向とタテ方向に知識を入れる横断的かつ深層的なアプローチが効果的です。
まずヨコ方向の知識とは、関連する異なる分野との接続性を意味し、タテ方向の知識は特定テーマの歴史的背景や根本的な原理の理解を指します。
新聞、書籍、オンライン記事などを通じて、幅広いトピックに触れながら、各テーマの本質的な部分まで掘り下げることで、柔軟で深い思考力が養われます。
ヨコ方向の知識(一つのテーマを様々な視点から見る)
テーマ:教育の未来
分野 | 具体的な知識 | 教育への影響 |
---|---|---|
教育 | 学習方法の変化 | 個別最適化された学習アプローチ |
テクノロジー | デジタル学習ツール | 双方向的な学習環境の構築 |
心理 | 学習者の動機づけ | 効果的な学習モチベーションの設計 |
経済 | 教育投資の効果 | 教育リソースの効率的な配分 |
社会 | 教育の社会的役割 | 社会変革のツールとしての教育 |
知識を横断的に接続するポイント
- 複数の視点から問題を捉える
- 異分野の知見を関連付ける
- 総合的な理解を目指す
例文: 教育の未来は、単一の分野だけでは描けない。テクノロジーの進化、心理学的な学習メカニズム、経済的な投資効果が複合的に作用し、新たな学習モデルを生み出している。
このように限られた知識でも、分野を横断的に捉えることで、より深い洞察が可能になります。
タテ方向の知識(一つのテーマの歴史と根本的な原理の理解)
テーマ:「民主主義」の歴史的理解
時代・段階 | 歴史的文脈 | 根本的原理 | 発展過程 |
---|---|---|---|
古代ギリシャ | 直接民主制の起源 | 市民の政治参加 | 初期の市民集会、投票制度 |
啓蒙思想期 | 権力の分立、個人の権利 | 自由と平等の概念 | ルソー、ロックの政治思想 |
近代革命期 | 絶対王政への抵抗 | 人民主権 | アメリカ独立革命、フランス革命 |
20世紀 | 世界大戦と民主主義 | 普遍的人権 | 植民地独立と民主化 |
現代 | グローバル化と民主主義 | 市民参加のデジタル化 | インターネット、SNSの影響 |
タテ方向の知識理解のポイント
- 歴史的変遷を追跡する
- 根本原理の継承と変容を理解する
- 時代ごとの文脈を多角的に捉える
特定のテーマを深く理解するには、その歴史的変遷と根本的原理を縦断的に追求することが重要。
こういった作業は正直、初めは面倒で骨の折れることですが、このような作業をするとある時から物事を考えることが面白くなり、他の教科の記述問題にも応用できるので、ぜひ試してみてください。
今ある知識を組み合わせる、別の視点から考える
限られた知識でも、考え方と知識の組み合わせによって、説得力のある小論文を書くことができます。
今ある知識を予想外の方法で組み合わせたり、異なる角度から問題にアプローチすることで、独自の洞察を生み出せます。
重要なのは、与えられたテーマに対して、固定観念にとらわれない柔軟な思考と、自分なりの解釈を論理的に展開する能力です。
例えば問題を読んだときに、関連する日常生活のできごとをそれぞれ組み合わせて考えてみると分かりやすいですね。
小論文の知らないテーマが出たときは?
小論文で知らないテーマに遭遇しても、パニックになる必要はありません。
限られた情報と時間の中で、論理的かつ誠実なアプローチを取ることが重要です。以下に、知らないテーマに向き合うための具体的な戦略をご紹介します。
今までの知識から推測をする
未知のテーマに直面しても、すでに持っている知識が最大限に活用できます。
テーマの本質を推測するためには、関連する分野の基本的な考えや社会的文脈を思い出すことが有効です。
例えば、具体的な専門知識がなくても、人間社会の普遍的な価値観や、これまでに学んできた基本的な理論を応用することができます。
推測する際は、思い込みや空想に頼るのではなく、論理的な思考プロセスを大切にしましょう。自分の知識の限界を認識しつつ、率直に自信を持って問題に対応することが重要です。
知ったかぶりをしない
未知のテーマについて安易に憶測や虚偽の情報を並べることは、小論文において最も避けるべき行為です。
知識が不足している場合、無理に専門的な用語や根拠のない主張を使用するのではなく、誠実に自分の理解できている範囲で論述することが求められます。
むしろ、限られた知識の中で、論理的な思考と誠実な姿勢を示すことが高く評価されます。
問題から読み取れる情報を丁寧に分析し、自分なりの解釈や視点を誠実に提示することが、小論文の本質的な目的です。
その場で学ぶ姿勢を持つ
未知のテーマに対する最良のアプローチは、学ぶ意欲と柔軟な思考です。
与えられた課題文や資料から最大限の情報を引き出し、「ここはどういうことなのか?」「なぜこうなっているのか?」と批判的に分析する姿勢が重要となります。
限られた試験時間内で、問題の本質を理解し、自分なりの洞察を導き出すことが求められます。
わからないことを恥じる必要はなく、むしろ新しい学びへの好奇心と、課題に真摯に向き合う姿勢こそが評価されます。
論理的な思考プロセスを示し、自分の考えを明確に表現することに集中しましょう。
その場で問題が出され書いていくという即興的な面があるので、小論文の試験ではその場で学ぶ姿勢は大切ですね。
初めは分からないかもしれませんが、その場で学ぶ姿勢を持つと、試験前には思ってもみなかった考えが浮かび、書けないテーマだと思っていたことがすんなり書けてしまうことがあります。
小論文何言ってるかわからないときは?
小論文の問題や課題文などを読んでも意味が理解できないときは、頭が真っ白になってしまいがちです。
しかし、落ち着いて問題に対処することで、理解への糸口を見つけることができます。以下に、具体的な解決策をご紹介します。
問題の答える要素や条件を押さえる
まず小論文で問題が何を言っているのか分からない場合は、問題の答える要素や条件をきちんと押さえましょう。
詳しくは以下の内容をご覧ください。

知らない言葉をノートに書く
課題文を読む際、理解できない専門用語や難解な表現をそのままにせず、すぐにノートに書き出しましょう。
言葉を書き出すことで、文脈や周辺情報から意味を推測する手がかりが生まれます。
また、ノートに書くという行為自体が、集中力を高め、言葉の意味を能動的に考える助けとなります。
できれば専門用語の横に、自分なりの疑問や気づきをメモすることで、理解への第一歩を踏み出せます。言葉の羅列ではなく、自分の思考のプロセスを大切にしましょう。
自分で書き出すことで、忘れにくくもなります。
調べる・人に聞く
問題を読んでいて知らない言葉や考えを見つけたら、すぐに調べる姿勢が大切です。
辞書や参考書、信頼できるインターネット情報を活用して、言葉の意味や背景を確認しましょう。
ただし、試験中は調べることができないため、日頃から幅広い知識を身につけ、様々な分野の基本的な用語に触れておくことが重要です。
可能であれば、先生や先輩、家族など信頼できる人に聞いてみる、説明を求めることも有効な方法です。他者との対話を通じて、自分では気づかなかった新たな視点や理解が生まれることがあります。
身近なことに置き換えてみる
難解な言葉や考えは、自分の日常生活や経験に引き寄せて考えることで、理解が深まることがあります。
例えば、社会問題や哲学的な概念も、自分の身近な経験や感覚に置き換えて考えることで、より具体的なイメージが湧きます。
抽象的な概念を、自分が経験した出来事や感情と関連付けることで、言葉の本質的な意味に近づくことができます。
もちろん感情をそのまま小論文に書くことはできませんが、自分の感情から「なぜそう思ったのか?」という考えの糸口を見つけるきっかけになります。
この「翻訳」のプロセスは、単なる言葉の置き換えではなく、自分なりの解釈と理解を深める重要な思考方法ですね。
小論文の知識を増やす
いざ小論文を書こうとすると、どうしても前提知識は必要なので、以下で実際に知識を集めて書く練習をしていきましょう。
過去問などから頻出テーマの知識を入れる
まず過去問は、志望先の小論文の試験対策を効率よく立てられ、そこから頻出テーマを知ることで効率よく練習ができます。
以下、小論文の基本的な頻出テーマを押さえておきましょう。

また志望先の頻出テーマを知るには、大学入試なら赤本の「傾向と対策」、就職試験ならば志望先の過去問にあたる、または志望先の同業他社で公開されている過去問に当たることが有効です。
書くネタを収集する
前提知識と併せて、小論文での具体例を増やすためにも以下で書くネタを収集しましょう。

新聞や本、教科書、実体験を活用する
新聞や本、実体験での知識を活用することも、他の受験生にはない自分独自の小論文を書くには有効です。

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