今回は大学入試の小論文の勉強法について、本や新聞を使った効果的な方法についてお伝えします。
この方法はたんに小論文対策になるだけではなく、大学入学後のレポートや論文を書く基礎にもなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事で学ぶこと
- 大学入試での小論文の勉強法
- 本の活用法
- 新聞の活用法
関連記事
大学入試の小論文の勉強法
今すでに大学入試に向けて小論文の勉強をしているという人も、これから始めるという人も、どんな対策を行っているでしょうか?
おそらく多くの人が参考書を読んで、例題や過去問を解いて、先生に添削を受けるということを行っているでしょう。
たしかに学習の流れは間違っていませんし、何度も書いて添削を受けることは小論文を上達させる基本です。
しかし、正しい方法で練習して添削を受けないと、いつまでたっても小論文というのは上達しません。
この記事では小論文の基本はある程度分かったという人向けの内容なので、もし小論文の学習はこれからという人は、以下の記事も読んでみてください。
小論文の基本をチェック!
本を使った小論文7つの勉強法
ここでは本を使った小論文の勉強法についてお伝えします。どの本を読んで対策をすればいいのか迷うという人の解決になるので、ぜひ見ていきましょう。
➀ まず赤本を使う
赤本というのは、この本の表紙が赤いことからくる通称ですが、正式には『大学赤本シリーズ』(教学社)です。
志望する大学・学部の赤本を購入するか、高校の図書館で入手します。
とくに購入する場合は、小論文の問題などがきちんと掲載されているかを確認しましょう。
大学・学部によっては著作権の問題から小論文の科目があっても、問題文などが省略されている場合があるので、問題と解答例がしっかり掲載されていることを確認して購入します。
もし過去問が赤本に掲載されていな場合は、大学のホームページなどで確認します。
② 傾向と対策を読む
赤本に小論文の過去問や解答例がきちんと掲載されていることを確認したら、目次を見て「傾向と対策」のページを開いてみましょう。
「傾向と対策」には大学・学部ごとの小論文の問題の傾向や学習法、オススメの図書などが掲載されています。
「傾向と対策」の一番最後にある小論文のおすすめ本は、完全に宣伝なので必ずしも購入しなくても良いですが、それ以外の内容はきちんと踏まえましょう。
そこで初めは書かなくてもよいので、どのような問題が過去に出たのかを見てみましょう。
③ 模範解答を丸写しする
「傾向と対策」をもとに学習を行いつつ、赤本に書いてある模範解答を丸写ししてみましょう。
手書きで書く練習のためにも、ノートやチラシの裏でもよいので手書きで丸写しします。
丸写しして何の意味があるのかと思うかもしれませんが、思っている以上に書き方や言葉の使い方が学べますし、いくつか丸写しをすると小論文ではどのような文章が良い文章なのかが分かってきます。
他の指導者の方も言っているように、「手書きの丸写し」には以下のメリットがあります。
《手書き丸写しのメリット》
- 小論文の構成を学べる
- 原稿用紙の使い方が身に付く
- 文字を書くスピードが分かる
- 言葉のレパートリーが増える
- 事例を他で転用できる
引用元:https://jin-maru.com/method/
手書きで人の文章を丸パクリするというのは良くないように思いますが、別にこれを試験の解答として提出するわけではないので、なにも問題はありません。
そして、いくつか模範解答を丸写ししたら、「じゃあ、模範解答のこの部分は自分ならこう書く」といったことを考えて、文章を改変して書くことができるとなお良いです。
④ アウトラインの作り方を練習する
小論文を書く上での土台・基礎になるアウトラインの書き方を練習します。
小論文の試験では、限られた時間の中で文章を完成させなければいけないので、いきなり原稿用紙に書き始めて、考えながら書いていると結局時間内に完成しません。
アウトラインの書き方は以下で解説しています。これを見ながら、まずはアウトラインの書く練習をしてみましょう。
就活の対策で書いた例文のアウトラインですが、テーマや書き方などは大学入試の対策でも参考になります。
⑤ 書く文字数を少しずつ増やす
初めのうち書く練習をするときは、800~1000字の文字数は書かなくても良いです。
誰でも、いきなりそんな文字数は書けないので、100字くらいからでも構いません。100字も怪しいという人は50字くらいからでも書いてみましょう。
いきなり800~1000字を書こうとして、尻込みしたり自信をなくしてやる気までなくすことが一番よくないので、自分が少し頑張れば書けそうな文字数から書いてみてください。
大切なことは書く練習を続けることです。100字、200字、300字と少しずつ書く文字数を増やして、指定文字数まで書けるように練習をしていきましょう。
⑥ 関連の本を読む
関連の本といっても、どんな本を読んでいいか分からない場合は、まず赤本の「傾向と対策」に書いてあるオススメの本を読んでみます。
大学・学部の対策によって異なりますが、教科書や新聞も含め、何かしらのおすすめ書物が書いてあるので、その本や新聞を読んでみます。
そこで知らないこと「なぜ~なのだろう?」と疑問に思ったことは、インターネットも含めて自分で調べたり考えたりしてみましょう。
自分で調べたり考えたりしても分からない場合は、学校の先生など信頼できる大人に聞きます。
そこで得た答えをただ「ふーん、そうなんだ!」で終わらせずに、さらに自分で考えてみましょう。
⑦ 複数の人に添削をしてもらう
視点や評価が偏らないためにも、2~3人の人に添削をしてもらうと良いでしょう。
小論文の模試も活用できるとなお良いです。
新聞を使った小論文対策
新聞を活用した小論文の対策について見ていきます。
新聞なんて「オワコン」とか「オールドメディア」などと言われ、読む意味がないように言われますが、そういう言説を鵜呑みにしている人に差をつけるためにも、しっかり活用していきましょう。
新聞を読む3つのメリット
新聞を読むと3つのメリットがあります。というより、新聞を読むメリットはあってもデメリットはありません。
あえてデメリットをあげれば、初めて読むには少し堅苦しい読みにくい、読む時間を割いてしまうところでしょう。
新聞を読む3つのメリット
- 書き言葉の文章に慣れる
- 時事問題に強くなる
- 語彙力が高まる
➀ 書き言葉の文章に慣れる
新聞を読むと分かりますが、文末表現は小論文と同じ「だ・である調」が使われています。
したがって、新聞を読んで書き言葉の文章に慣れておけば、小論文を書くときに「書き言葉」のルールそのままで入っていくことができます。
② 時事問題に強くなる
よく時事問題というと志望学部にかんすることだけを調べるという風潮がありますが、小論文では志望学部に直接関係しないテーマが問題として出されることもあります。
こういった時に新聞を活用していると、時事問題に強くなるだけでなく、志望学部に関連しない情報にも強くなります。
また小論文では多角的に物事を考える力が求められるので、新聞を活用して様々な情報を得ることにより、志望学部に関連することと別のことも関連付けて複数の視点から考える力が身につきます。
③ 語彙力が高まる
私は学生時代の就職活動で新聞記者を志望したことがありますが、新聞ほど「書き言葉」の言葉づかいに厳しい文章は他にありません。
それは不特定多数の人が読む文章であり、言い方は悪いですが「バカが読んで分かる文章を書け!」というある新聞の編集長の言葉を聞いたことがあります。
新聞は分かりやすさという点でも、言葉づかいや言葉の種類などの語彙力の点でも、読んで文章を参考にすると自然と良い小論文が書けるようになります。
新聞の活用法
新聞の活用法(3ステップ)
まずは新聞を読んだことがないよという人は、とりあえず新聞を手に取って記事をながめてみましょう。
書く記事の見出しだけでも見てみましょう。
その次に新聞ノートを作って、気になった記事を切り抜いてノートに張り要約と自分の意見を書くというのが理想ですが、最近は新聞を取っていない家庭も少なくないので、家に新聞がないという人は、学校や図書館の新聞を活用します。
学校や図書館の記事は切り抜けないので、スマホなどで写真を撮ってその内容をもとに要約と自分の意見を書いていきます。
もし記事のスマホ撮影も禁止されている場合は、その場でノートを持参して記事の見出しを書いてから、要約と自分の意見を書きましょう。
要約は記事の内容や分量にもよりますが、50~100字以内といったところでしょうか。
意見の文字数も100~200字で書いてみて、慣れてきたら文字数を増やしていくと良いでしょう。
新聞を読んでいて分からない言葉や疑問に思ったことはメモをしておいて、調べてみます。
また新聞に書かれているという理由で、内容を鵜呑みにしないようにしてください。
ここで作った新聞記事のノートは、あなたに一番ピッタリな対策本になるはずです。
そして漫然と記事を読んで要約や自分の意見を書くのではなく、「なんで○○なの?」「新聞ではこう書かれているけど、本当なの?」といって自分で調べ考えることで、小論文に必要な論理的思考力が身についていきます。
たくさんネタ本や時事本を買って、お金と時間を無駄にするよりも、まずは赤本と新聞の二大対策で小論文の学習を行っていきましょう。
コメント