小論文での「数字の書き方ってどうだっけ?」
縦書きと横書きでは多少ルールが異なります。
小論文で数字をどう表記すべきか、特に「小論文での数字の書き方」「小論文の縦書き・横書きでの数字の書き方」や「数字と漢数字の使い分け」などについて迷っている方は多いはずです。
本記事では、受験生の皆さんが悩む数字の使い方を詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
今回学ぶこと
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小論文の数字の書き方
小論文において数字の適切な表記は、文章の読みやすさと採点結果に大きく影響します。縦書きと横書きでは使用すべき数字が異なるほか、慣用表現での漢数字の使い方にも注意が必要です。
ここでは、小論文における数字の正しい使い方について解説します。
原稿用紙の使い方おさらい
小論文を書く際の原稿用紙の基本的な使い方を理解しておくことが重要です。
一文字ずつマスに丁寧に楷書で記入し、書き出しは1マス空けるのが原則です。
段落を変える場合も改行して1マス空けて始めます。促音「っ」や拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」も1マスに1文字ずつ書きます。

句読点やかぎかっこなども1字として数え、行頭に句読点や閉じかぎを置くことはできません。
また、繰り返し符号「々」は行頭に置けないため、行頭に来る場合は漢字で書く必要があります。
制限文字数は厳守し、最後のマスに文字と句点を一緒に入れないよう注意しましょう。これらの基本ルールを守ることで、読みやすく採点者に好印象を与える小論文が書けます。


その他、小論文の基本的なルールについては以下を参照

段落分けのタイミング
要約など短い文章の段落分けについては、以下を参照。
制限字数を守る
制限字数は必ず守りましょう。
制限字数の目安については以下を参照。
数字の使い方
小論文における数字の書き方は原稿用紙の種類によって異なります。縦書きの原稿用紙では、すべての数字を漢数字で表記することが原則です。
例えば「2025年」は「二〇二五年」と書きます。通常の数字「20」の場合は「二十」と書きます。
課題文や資料にある数字は、横書きアラビア数字(1,2)で書かれていることが多く、原稿用紙も横書きの場合が多いので、そのままアラビア数字で書きます。
ほとんどないですが、横書きの課題文で縦書きの原稿用紙で書かせる場合は、横書きの資料の数字は漢数字に直して書きます。
一方、横書きの原稿用紙ではアラビア数字(1,2)を使用します。
この場合、アラビア数字は半角扱い(1マスに2文字)で記入します。
ただし、アラビア数字を使う場合でも「一石二鳥」「十人十色」「一長一短」などの慣用句は漢数字のまま表記します。これらの慣用句を「1石2鳥」などと書くと不自然で、減点対象となる可能性があります。
また、単位を表す記号やアルファベットはカタカナで表記するのが基本です。数値の表記方法は全体を通して統一し、途中で変えないよう注意しましょう。正確な数字の表記は、論理的で読みやすい小論文を作成する上で重要な要素となります。

言葉の使い方
小論文では適切な言葉遣いが求められます。
一人称は「私」に統一し、「自分」や「僕」は使用しません。文体は常体(「だ・である」調)を使用し、敬体(「です・ます」調)は避けます。
また、口語表現も不適切とされるため、「なので」ではなく「したがって」、「いろんな」ではなく「さまざまな」といった書き言葉を使いましょう。
省略表現や略語も使用すべきではありません。「スマホ」ではなく「スマートフォン」と正式名称で記述します。
そして、文学的表現、オノマトペ(擬声語・擬態語)、流行語、商標名なども避けます。
表現のカテゴリー | 内容 | 避けるべき例 | 言いかえ例 |
---|---|---|---|
文学的表現 | 小説などで使われる装飾的・感情的な表現 | 「彼の言葉は心に深く刻まれた」
「星空は無限の可能性を語りかけていた」 |
「彼の言葉は印象に残った」
「星空を見て可能性を考えた」 |
オノマトペ (擬声語・擬態語) |
音や状態を模倣した表現 | 「ドキドキする体験」
「スラスラと文章が書ける」 |
「緊張感のある体験」
「滑らかに文章が書ける」 |
流行語 | 一時的に流行している言葉やフレーズ | 「それな」
「エモい」 「推し」 |
「その通り」
「感動的だ」 「支持している人物」 |
商標名 | 特定企業の製品・サービスの名称、公的機関の略称 | 「コピー用にゼロックスする」
UN、EU |
「コピーをする」
国際連合、ヨーロッパ連合(ただし問題に略称が使用されていればそのまま使える) |
重複表現は文章の質を下げるため、「いまだに未解決」ではなく「未解決」というように簡潔に表現しましょう。
「~と思う」という表現の多用は自信のなさを印象づけるため、「~と考える」や断定的な表現を心がけます。こうした適切な言葉遣いは、論理的で説得力のある小論文を書く基礎となります。
文章作成の基本ルール
小論文を書く際には基本的なルールを守ることが重要です。
まず、文字は楷書で丁寧に書き、略字や続け字は使用しないようにします。
採点者が読みやすいよう、文字の大きさや濃さにも注意が必要です。指定がない場合はHBかそれより濃い鉛筆を使用し、シャーペンは文字が薄くなりがちなので避けるのが無難です。
一文は長くなりすぎないように心がけ、一つの文で一つの内容を伝えることを意識しましょう。
文が長くなると意味が分かりにくくなり、文意が途中で変わってしまう危険性があります。また、同じ言葉を繰り返し使うことは表現力不足と見なされるため、類義語を用いるなど工夫が必要です。
そして他人の文章を参考にするときも丸写しはせずに、自分の知っていること経験したことに置き換えて書いてみましょう。

小論文の数字の書き方【縦書き編】
小論文を縦書きで書く際も、数字の表記方法にはルールがあります。適切な数字の書き方は、文章の読みやすさと見栄えを左右する重要な要素です。
ここでは、縦書きの原稿用紙の基本的な使い方と、年号や一般的な数字の正しい表記方法について解説します。
原稿用紙の縦書きの使い方
原稿用紙の縦書きの使い方については以下をご覧ください。
年号と通常の数字の書き方
年号と通常の数字の書き方は、以下をご覧ください。
小論文の数字の書き方【横書き編】
横書きの小論文でも、数字の表記方法にルールがあります。
読みやすさと正確さを両立させるためには、漢数字とアラビア数字の適切な使い分けが重要です。
ここでは、横書き文章における数字の基本的な書き方と、文章全体での統一性について解説します。
慣用句は漢数字、数字はアラビア数字
横書きの小論文では、基本的に数量を表す場合はアラビア数字(1、2、3)を使用します。
例えば「53パーセントの回答者が賛成した」「2025年の予測値」などと表記します。
一方、慣用的な表現や語の一部となっている数字は漢数字を用いるのが適切です。
「一世一代の機会」「四面楚歌」「二重構造」などがこれに当たります。
また、訓読みする数え方(「一つ」「二人(ふたり)」「四日(よっか)」)も漢数字で表記します。
さらに、概数や大まかな表現では「二、三日」「数十年」など漢数字が使われます。
固有名詞や熟語に含まれる数字も「一橋大学」「四国」のように漢数字を用います。このように状況に応じて適切に使い分けることで、文章の読みやすさと正確さが向上します。
使用場面 | 数字の種類 | 具体例 | 注意点 |
---|---|---|---|
数量・統計 | 算用数字 | 「2025年の予測値」「3.14の数値」 | 正確な数値を示す場合に使用 |
慣用句・熟語 | 漢数字 | 「一世一代の機会」「四面楚歌」「二重構造」 | 表現の一部として定着している |
訓読みする数え方 | 漢数字 | 「一つ」「二人」「四日」 | 日本語の読み方と結びついている |
概数・大まかな表現 | 漢数字 | 「二、三日中に」「数十年の歴史」「一部の人々」 | 厳密でない数量を表す |
固有名詞 | 漢数字 | 「一橋大学」「四国」「三菱商事」 | 名称の一部として使用 |
使い分けを文章全体で統一する
横書きの小論文では、数字の表記方法を一度決めたら文章全体で統一することが重要です。
例えば、「3つの理由」と書いた後に「二つ目の論点」と表記すると、読み手に違和感を与えてしまいます。
特に同じ種類の数え方や単位を使う場合は、採点者に「なんで、この箇所とあの箇所は違うんだろう?」と思わせないために、一貫した表記法を守りましょう。
これらのルールは、書く方からすると面倒くさいのですが、採点者の読みやすさを考えると合格につながる大きな要素なので守った方が得ですよね。
また普段ノートを使うとき、紙に何かを書き留めるときにも、縦書き・横書きの数字の書き方などの体裁を意識して書いてみてください。
初めは意識して守らないと、ついルールを破ってしまいがちですが、一旦身についてしまえば自然とルール通りに書けるようになり、体裁がしっかり整った文章を書くのは気持ちの良いものなので、ぜひ練習をして身に付けてしまいましょう。
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