マニュアル化してみよう、小論文の情報収集の方法

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小論文の学習法

小論文を書く際、「どうやって情報を集めればいいの?」「集めた情報をどう整理すればいいの?」と悩んでいませんか。

説得力のある小論文には、日頃からの情報収集が欠かせません。

本記事では、効率的にネタを集めるジャンルの決め方から、メモアプリを活用した整理術、さらにリアルな社会課題の発見方法まで具体的に解説します。

マニュアルを作成して情報を蓄積すれば、試験直前に慌てることなく、自信を持って小論文に臨めるようになります。

小論文の情報収集の方法

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この記事を書いた人
飛田 弘一

小論文の独自研究家・指導者。

Amazonにて400部突破『小論文の手引き』の著者。

大学卒業後、書籍の誤字・脱字を確認する校正の仕事を経て、学生時代に小論文がまったく書けず受験で悔しい思いをした経験から、書店の小論文の参考書は延べ100冊以上を読み、また小論文の講座を30以上受講するなど、小論文の独自研究に没頭する。

そこで得た知見から、誰でも実践できる分かりやすい小論文の書き方を構築。

小論文が書けない人の気持ちを誰よりもよく分かる指導者を自任し、決して上から目線にならない丁寧な小論文の指導を心がけている。

飛田 弘一をフォローする

小論文の情報収集の方法

小論文で説得力のある具体例を書くには、日頃からの情報収集が欠かせません。

ここでは、効率的にネタを集めて整理する方法を解説します。

まず探すネタのジャンルを決める

小論文のネタ探しでは、やみくもに情報を集めるのではなく、ジャンルを絞ることが重要です。

最も効果的なのは、今注目されている社会的な問題を追いかけることでしょう。

例えば、環境問題やデジタル化、働き方改革といった時事的なテーマは、多くの大学で出題されやすい傾向があります。

ニュースで頻繁に取り上げられる話題にアンテナを張っておけば、自然と知識が蓄積されていきます。

また、長く議論されているテーマも押さえておきましょう。

少子高齢化、教育格差、憲法改正といった継続的な課題は、さまざまな角度から考察できるため小論文に適しています。

時間をかけて議論されているテーマには、賛否両論の意見が豊富にあり、多面的な視点を身につけられる利点もあります。

さらに、志望する学部や大学に関連したテーマを優先的に集めることをおすすめします。

医学部なら医療制度や先端医療技術、経済学部なら経済政策やグローバル経済といった専門分野のニュースを追うことで、志望校への関心の高さをアピールできます。

過去問を分析して出題傾向を把握すれば、より効率的にネタを絞り込めるでしょう。

このように、自分にとって本当に必要なジャンルを決めてから情報収集を始めることで、限られた時間の中でも質の高いネタ帳を作り上げられます。

どのようにネタを探せばよいか全くわからない場合は、まず3年分くらいの過去問の傾向や出題テーマからジャンルを決めてみることをお勧めします。

今現在それらのテーマはどうなっているのか、関連のテーマはないか調べてみると、書くべきネタは自然と出てきますよ。

探すネタの3ジャンル

① 今注目されている社会問題
② 長く議論されているテーマ
③ 志望先に関連したテーマ

オススメニュースアプリ

情報収集はニュースサイトやアプリを使って効率よく行いましょう。以下でオススメのニュースサイトやアプリを紹介しています。

  1. オススメのアプリ

マニュアルを作成して、情報収集をする

効率的に情報を集めるには、自分なりの収集マニュアルを作ることが有効です。

まず、引用元を必ず記録しましょう。新聞名や記事のタイトル、日付、URLなどを残しておけば、後で見返したときに信頼性を確認できます。

次に、ニュースの簡単な要約を書き留めます。長文を丸ごと保存するのではなく、要点を100字程度でまとめる習慣をつけると、理解が深まり記憶にも残りやすくなります。

さらに重要なのが、事実と意見を区別して整理することです。

ニュース記事には「いつ、どこで、何が起きたか」という客観的事実と、記者や専門家の「こう考えられる」という意見が混在しています。

この2つを分けて記録すれば、小論文を書く際に混同せずに使えます。

また、それぞれの立場における主張や見解も書き留めておきましょう。政府、企業、市民など、異なる立場からの意見を整理すると、多角的な視点が身につきます。

加えて、「自分はどう考えるか」と「その理由は何か」を必ずセットで記録してください。

  1. 結論の考え方

たんに情報を集めるだけでなく、自分の意見を持つことで、小論文の核となる主張が形成されます。慣れてきたら、予想される反論とその対処法まで考えてみましょう。

ただし、最初は反論まで想定しなくても構いません。まずは事実の整理と自分の意見を述べることから始めて、徐々にステップアップしていけば十分です。

最後に、関連キーワードや具体例、数字といった補足情報も記録しておくと、小論文を書く際の引き出しが増えます。

例えば「高齢化率28.4%」や「東京都の実証実験」といった具体的なデータは、主張に説得力を持たせる強力な武器になるでしょう。

このマニュアルに沿って情報を整理していけば、いつでも使える自分だけのネタ帳が完成します。

情報収集のマニュアル例 ①

引用元:

タイトル:

日付:

(ネット記事の場合はURL):

事実(いつ、どこで、何が起きたのか):

記事の意見:

それぞれの立場の主張・見解(その主張・見解の背景は):

100字程度で記事の要約:

情報収集のマニュアル例 ②

使える場合は(記事や関連テーマでの具体例や数字も):

記事に対しての自分の意見(「たっそ」で考える):

その理由は?:

予想される反論は?:

反論への対処:

まずは情報収集のマニュアル例 ①のようなものを作成して、慣れてきたら情報収集のマニュアル例 ②をもとに自分の意見などを書いてみるとよいでしょう。

一連の考え方、書き方は私の参考書で詳しく紹介しておりますので、以下で参照してみましょう。

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メモ・アプリで、テンプレートを作る

集めた情報を効果的に活用するには、メモアプリでテンプレートを作成し、いつでも見返せる形で整理することが大切です。

ここでは、具体的な活用方法を紹介します。

自分の使っているスマホやPCのアプリを使う

情報整理には、すでにスマホやPCに入っているメモ機能を活用するのが最も効率的です。

わざわざ新しいアプリをダウンロードする必要はありません。

iPhoneユーザーなら標準の「メモ」アプリ、Androidユーザーなら「Google Keep」など、普段から使い慣れているツールで十分でしょう。

使い慣れたアプリなら操作に迷うことなく、情報をすばやく記録できます。

また、スマホとPCで同期できるアプリを選ぶと便利です。通学中にスマホでニュースを読んで要約を記録し、帰宅後にPCで詳しい分析を追加するといった使い分けができます。

Microsoft OneNoteEvernoteなども、複数のデバイス間で情報を共有できるため人気があります。

大切なのは、機能の豊富さよりも継続して使えるかどうかです。

シンプルで直感的に操作できるアプリを選び、毎日少しずつ情報を蓄積していく習慣をつけましょう。無理なく続けられる環境を整えることが、質の高いネタ帳を作る第一歩になります。

メモ・アプリにマニュアルを入れてネタ帳にする

メモアプリには、先ほど作成した情報収集マニュアルをテンプレートとして保存しておきましょう。

  1. マニュアルを作成して、情報収集をする

テンプレートがあれば、ニュースを読むたびに同じ形式で情報を記録でき、後で見返したときに理解しやすくなります。

例えば「出典」「事実とデータ」「賛否両論」「自分の意見」「関連キーワード」といった項目を毎回同じ順番で書き留めれば、情報が整理された状態で蓄積されていきます。

テンプレートを使うもう一つのメリットは、記録漏れを防げることです。

項目が決まっていれば「自分の意見を書き忘れた」といったミスがなくなり、小論文を書く際に必要な情報がすべて揃います。

また、複数のテーマを扱う場合でも、統一されたフォーマットで記録しておけば比較検討がしやすくなるでしょう。

最初は項目をすべて埋めるのが大変に感じるかもしれませんが、慣れてくれば5分程度で一つのニュースをまとめられるようになります。

テンプレートに沿って情報を積み重ねていくことで、あなただけのオリジナルなネタ帳が完成します。

試験直前に慌てて情報を探す必要がなくなり、自信を持って小論文に臨めるでしょう。

定期的に情報を更新する

ネタ帳は一度作って終わりではなく、定期的に見直して更新することが重要です。

社会問題は日々変化しており、数ヶ月前のデータが古くなっている可能性があります。例えば、統計の数値や政府の方針、企業の取り組みなどは、最新の情報に差し替える必要があるでしょう。

週に一度、または月に一度のペースで、保存したメモを見返す時間を設けてください。

更新作業では、古い情報を削除するだけでなく、新たな視点を追加することも大切です。

最初に記録したときには気づかなかった問題点や、別のニュースとの関連性が見えてくることもあります。そうした気づきをメモに書き足していけば、多角的な視点が養われていきます。

また、情報を見直す過程で、自分の考えが変化していることに気づくかもしれません。以前は賛成だった意見に疑問を感じたり、新しい根拠を見つけて主張を強化できたりします。

こうした思考の変化もメモに残しておくと、小論文で深みのある議論ができるようになります。

定期的なメンテナンスによって、ネタ帳は常に鮮度の高い情報源として試験直前まで機能し続けるでしょう。

重要な記事はスマホで撮影する

気になる記事を見つけたら、スマホのカメラ機能を活用して記録しましょう。

テキストを打ち込む手間が省け、情報を正確に保存できます。

撮影する際には、出典元、著者、日付、記事のテーマが画面に収まるように注意してください。これらの情報がないと、後で信頼性を確認できなくなってしまいます。

理想的なのは、記事全体が一枚の写真に収まるように撮影することです。

ただし、新聞の見開きページや長文のウェブ記事など、全体を撮るのが難しい場合もあるでしょう。そんなときは、要点となる段落や重要なデータが載っている部分だけを撮影すれば問題ありません。

また複数枚に分けて撮影してもかまいません。

撮影後は必ず、メモアプリに「なぜこの記事が重要なのか」を一言でも添えておきましょう。

例えば「志望学部の過去問に類似したテーマ」「反論の根拠として使える統計データ」といった簡単なメモで十分です。この一言があるだけで、後日写真を見返したときに、すぐに情報の価値を思い出せます。

写真とメモを組み合わせることで、視覚的にも内容的にも充実したネタ帳が完成しますよ。

リアルな社会課題を知る

小論文のネタは、デジタル情報だけでなく日常生活の中にも豊富に存在します。

ここでは、身の回りから社会課題を発見し、自分の言葉で語れるようにする方法を紹介します。

ネットやアプリ以外で社会課題を知る

社会課題を理解するには、インターネット以外の情報源にも目を向けることが大切です。

まず新聞は各社が独自の視点で問題を掘り下げており、ウェブ記事よりも詳しい背景情報が得られます。

また、『AERA』などの週刊誌は特集記事で一つのテーマを多角的に分析しているため、深い理解につながるでしょう。

街中に溢れる広告、ポスター、標語にも注目してください。これらには、その時代が抱える価値観や課題が色濃く反映されています。

例えば、駅のポスターが「働き方改革」を呼びかけていれば、労働問題が社会的に重要視されている証拠です。

また環境問題を訴える企業広告からは、SDGsへの関心の高まりが読み取れます。

そして博物館や科学館の展示物からは、専門的な情報や歴史的な経緯を学べます。過去の出来事と現在の課題を結びつけることで、問題の本質が見えてくるでしょう。

さらに、公共施設のパンフレットや案内板には、行政がどんな取り組みを進めているかが具体的に示されています。

福祉センターや子育て支援施設の資料は、地域が直面している課題を知る手がかりになります。街の風景や変化を観察すれば、都市開発や環境問題、人口動態といった社会の動きを視覚的に捉えられるのです。

写真撮影をする、時間があれば訪れてみる

気になる場所や資料を見つけたら、スマホで写真を撮って記録しましょう。駅のポスターや公共施設の掲示物など、その場でしか目にできない情報を残しておけば、後で振り返る際に具体的なイメージが蘇ります。

撮影する際は、文字が読める明るさと角度を意識してください。タイトルや発行元、日付なども一緒に写しておくと、情報の信頼性を確認できます。

ただし、撮影に許可が必要な場所や資料もあるので、その場合は事前に許可を取ってから撮影するようにしましょう。

また写真だけでなく、時間があれば実際にその場所を訪れてみることをおすすめします。

例えば、高齢化が進む地域の商店街を歩いてみると、シャッター街の現実や空き家問題を肌で感じられるでしょう。再開発が進むエリアに足を運べば、都市の変化や住民の声を直接聞けるかもしれません。

体験を通して得た情報は、ニュースで読んだだけの知識よりも記憶に残りやすく、小論文で説得力のある具体例として使えます。

博物館の特別展や自治体が開催するシンポジウムに参加すれば、専門家の意見を聞きながら理解を深められます。リアルな体験が、あなたの小論文に独自性と深みをもたらしてくれるはずです。

社会問題を自分の日常と関連付ける

社会課題を自分事として捉えることで、その重要性が実感でき、興味や関心も自然と湧いてきます。

例えば、通学路のバリアフリー化が不十分だと感じたなら、それは高齢者や障がい者が直面する移動の困難さにつながる問題です。

そして今障害がなく高齢者でなくとも、自分が障害を抱えてしまうこともあるかもしれませんし、生きていれば高齢化は誰しも直面することです。

またコンビニで食品の値上がりに気づいたら、物価上昇や家計への影響という経済問題と結びつけて考えてみましょう。

自分の経験と社会問題を関連付けると、小論文での議論がより具体的になります。

「プラスチックごみ削減」というテーマも、家庭でのレジ袋の使用状況や、学校でのペットボトル消費量と結びつければ、身近な問題として語れるでしょう。

「部活動の在り方」について書く際も、自分の体験や友人の状況を思い浮かべれば、教員の負担軽減や生徒の権利といった論点が見えてきます。

この視点を持つことで、ニュースを読むときの理解度も大きく変わります。

「なぜこれが問題なのか」「自分だったらどう影響を受けるのか」と考える習慣をつければ、表面的な知識ではなく、深い洞察を持って小論文を書けるようになります。

このように社会問題はあなたの日常生活に無関係ではなく、むしろ必ず何らかの点でつながっているといえるでしょう。

日常と社会をつなぐ視点こそが、説得力のある主張を生み出す源泉になります。

ぜひ今回の記事の内容を踏まえて小論文を書く際の情報収集をしてみましょう。

     情報収集のまとめ

  • 探すネタのジャンルを決める
  • メモ機能にテンプレートを作って情報収集をする
  • 定期的に情報をアップデートする

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