小学4年生の読書感想文の書き方に悩んでいませんか?
「何から始めればいいのか分からない」「子どもにどう教えたらいいの?」そんな不安を抱える親御さんも多いでしょう。
この記事では、小学生の読書感想文の書き方 (4年生)のポイントを具体的に解説し、例文での実例も豊富に紹介します。
読書感想文書き方の例文も参考にしながら、お子さんが一人でも感想文を書けるようになる実践的な方法をお伝えします。
本選びから清書まで、段階的にサポートしていきましょう。
小学4年生の読書感想文の書き方
- 本選びの方法
- 清書の仕方
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小学生の読書感想文の書き方(4年生)
小学4年生の読書感想文は、低学年の頃と比べて文章力や表現力がぐっと伸びる時期です。
しかし、どこから手をつければよいか分からず、お子さんも親御さんも困ってしまうことが多いでしょう。
この記事では、小学4年生のお子さんが一人でも読書感想文を書けるようになる具体的な方法をご紹介します。
書き方の基本
まず読書感想文の基本的な書き方は、小学3年生と同じなので以下をご覧ください。

親は子供が選んだ本に基本的に文句は言わない
読書感想文の成功の第一歩は本選びです。お子さんが自分で興味を持った本を選ぶことが何より大切になります。
親御さんとしては「もう少し勉強になりそうな本を」「高学年らしい内容の本を」と思ってしまいがちですが、ここはぐっと我慢することが重要です。
お子さんが好きなシリーズでも、表紙の絵に惹かれただけでも、理由は何でも構いません。興味のない本を無理に読ませても、心に響く感想は書けないからです。
何より誰かから押し付けられた本では、やる気が出ません。
以下、文部科学省の小学校学習指導要領(国語:書く項目)
〔第3学年及び第4学年〕
(1) 書くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
- ア 関心のあることなどから書くことを決め,相手や目的に応じて,書く上で必要な事柄を調べること。
上記のように小学4年生でも、「自分の興味・関心のあることから書くことを決める」ことが推奨されています。
「この本なら感想が書けそう」という大人の判断よりも、「この本を読んでみたい」というお子さんの気持ちを優先させましょう。
好きな本だからこそ、登場人物に感情移入でき、印象に残る場面も見つけやすくなるのです。
たとえ普段読んでいる本よりも幼い内容に見えても、お子さんの選択を信頼して見守ることが大切です。
親が本選びに口出しするときは、成人向けの本や公序良俗に反するような明らかに読書感想文の本としてふさわしくないものを選んだ時だけにしましょう。
本を変更させる際も、いくつかの候補のなかから子どもに選ばせることが重要です。
図書館で本を借りることがオススメ
読書感想文の本選びには、図書館の利用を強くおすすめします。最大の理由は、返却期限があることです。
家に本がたくさんあると、「いつでも読める」という気持ちから先延ばしになりがちです。
一方、図書館の本は2週間程度の返却期限があるため、自然と計画的に読み進める習慣が身につきます。
この期限があることで、お子さんも親御さんも「今日は何ページ読もう」「明日までに読み終えよう」といった具体的な目標を立てやすくなるのです。
また、図書館では豊富な選択肢の中からお子さんが本当に読みたい本を見つけることができます。
書店で購入する場合、つい値段を気にして「せっかく買ったんだから最後まで読みなさい」と言ってしまいがちですが、図書館なら気軽に試し読みができ、途中で別の本に変更することも可能です。
返却期限という適度なプレッシャーが、読書感想文の取り組みを後回しにしない効果的な仕組みとして働くでしょう。
小学生の読書感想文(4年生)の3例文
小学4年生が実際に書いた読書感想文の例文をご紹介します。
どの例文も異なるジャンルの本を題材にしており、お子さんの興味に合わせて参考にしていただけます。
例文1『エルマーのぼうけん』(冒険への憧れと勇気について)
ぼくは『エルマーのぼうけん』を読みました。この本は、エルマーという男の子がりゅうの子どもを助けるために冒険をするお話です。
一番心に残ったのは、エルマーが怖い動物たちに囲まれても、最後まであきらめなかったところです。ぼくだったら、ライオンやトラに囲まれたらすぐに逃げ出してしまうと思います。でも、エルマーは頭を使って、動物たちをうまくだまして進んでいきました。チューインガムでライオンのたてがみを結んだり、虹色のあめでトラの注意をそらしたりするアイデアは、とてもおもしろかったです。
エルマーがりゅうと初めて出会った場面では、思わず「やったあ!」と声に出してしまいました。長い間つながれて苦しんでいたりゅうを見つけたとき、エルマーはすぐに助けようとしました。自分のことよりも、困っている友達を先に考えるエルマーの優しさに感動しました。
ぼくも先月、学校で友達がいじめられているのを見たことがあります。そのとき、エルマーのように勇気を出して助けてあげることができませんでした。怖くて見ているだけでした。でも、この本を読んで、勇気というのは怖くないことではなく、怖くても正しいことをすることなんだと分かりました。
エルマーは特別な力があるわけではありません。でも、困っている友達を助けたいという強い気持ちと、あきらめない心があったから、冒険を成功させることができたのだと思います。ぼくも、エルマーのように友達を大切にして、困ったときは助け合える人になりたいです。
この本を読んで、ぼくの中にも小さな勇気が生まれました。今度、友達が困っているときは、エルマーのことを思い出して、勇気を出して声をかけてみようと思います。
例文2『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』(努力と失敗から学ぶことについて)
わたしは『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』を読みました。ゾロリがドラゴンをやっつけて、お姫様と結婚しようとするお話です。
この本で一番おもしろかったのは、ゾロリの作戦がことごとく失敗してしまうところです。最初にドラゴンの口に大きな石を投げ込む作戦を立てたとき、「今度こそうまくいく!」と思いました。でも、ドラゴンがその石をペッと吐き出してしまったときは、思わず笑ってしまいました。ゾロリの困った顔が目に浮かんで、とてもおかしかったです。
ゾロリは何回失敗しても、すぐに次の作戦を考えます。わたしだったら、一回失敗したらもうやめてしまうかもしれません。でも、ゾロリは「今度はこうしてみよう」「次はああしてみよう」と、いろいろなアイデアを考え続けました。その姿を見ていると、失敗することは恥ずかしいことではないんだなと思いました。
特に心に残ったのは、最後にゾロリがドラゴンと友達になる場面です。最初はやっつけようとしていたのに、ドラゴンが実は寂しがっていることを知って、一緒に遊んであげることにしました。強い相手でも、話してみると優しい心を持っていることが分かったのです。
わたしも今年の春、転校生の子がクラスに来ました。その子はいつも一人でいて、怖そうな顔をしていたので、みんな近づきませんでした。でも、給食のとき隣に座って話してみたら、とても優しくて面白い子でした。今では一番仲良しの友達です。
ゾロリとドラゴンの話を読んで、その時のことを思い出しました。 ゾロリは失敗をたくさんしたけれど、最後には一番大切なものを手に入れました。それは、新しい友達でした。
強くてかっこいいヒーローになることよりも、友達を作ることの方がずっと素晴らしいことなんだと分かりました。わたしも、ゾロリのようにあきらめずにがんばって、たくさんの友達を作りたいです。
例文3『モチモチの木』(家族への愛と成長について)
ぼくは『モチモチの木』を読みました。豆太という男の子とじいさまの、心温まるお話でした。
この本を読んで、一番ぐっときたのは、豆太がじいさまのために夜中に医者を呼びに行く場面です。豆太は普段、夜中にひとりでせっちんに行くこともできないほど怖がりでした。でも、大好きなじいさまが苦しんでいるのを見て、怖い夜道を必死に走っていきました。その時の豆太の気持ちを考えると、胸がドキドキしました。
ぼくにも、去年の冬に似たような経験がありました。お母さんが高い熱を出して動けなくなったとき、普段は怖がりのぼくが、一人でコンビニまで薬を買いに行きました。夜道は真っ暗で怖かったけれど、お母さんのことを思うと足が勝手に動いていました。豆太の気持ちがよく分かりました。
モチモチの木に灯りがともる場面も、とても美しかったです。豆太は自分のことを弱虫だと思っていたけれど、じいさまは「本当に大切な人のためなら、誰でも強くなれる」と教えてくれました。豆太がモチモチの木の灯りを見ることができたのは、じいさまを愛する気持ちが強かったからなんだと思います。
この本を読んで、家族って本当に大切だなと改めて思いました。普段は当たり前だと思っている、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんとの時間を、もっと大切にしようと思いました。豆太とじいさまのように、お互いを思いやる気持ちを忘れずにいたいです。
また、勇気というのは、怖くないことではなく、大切な人を守りたいという強い気持ちから生まれるものなんだということも学びました。ぼくも豆太のように、家族や友達のために勇気を出せる人になりたいです。
『モチモチの木』は、家族の愛の大切さと、本当の勇気について教えてくれる素晴らしい本でした。この本を読んで、ぼくの心も少し大きくなったような気がします。
その他、読書感想文の書き方を例文で解説
読書感想文をより完成度の高いものにするために、清書の段階でもひと工夫加えることが大切です。ここでは、清書作業をスムーズに進めるためのコツや、読み手に伝わりやすい読書感想文にするためのポイントを詳しく解説します。
清書のとき、段落ごとに薄く印をつけておく
清書作業をスムーズに進めるために、段落の区切りに薄く印をつけることをおすすめします。これにより、どこから新しい段落が始まるかが一目で分かり、清書中に迷うことがありません。
さらに効果的なのは、各段落の書き出しの数文字を薄く鉛筆で書いておくことです。
これにより、清書を始める際に「何を書こうか」と迷うことなく、すぐに作業に取りかかれるのです。
鉛筆で薄く書くのは、段落の位置を変更するときに修正しやすいためですが、あらかじめ書く大まかな位置を決めておけば書きやすくなるでしょう。
特に小学4年生にとって、長文の清書は集中力を要する作業なので、このような準備が大きな助けとなります。
清書中に音読してみる
清書作業の最中に、書いた部分を音読することで、文章の流れや読みやすさを確認できます。
声に出して読むことで、文章のリズムや不自然な表現に気づきやすくなるからです。
また、音読によって誤字脱字も発見しやすくなります。
清書中の音読は、1段落を書き終えるごとに行うのが効果的です。
題名は最後につける
読書感想文の題名は、本文をすべて書き終えてから考えることが重要です。
なぜなら、文章を書き進める中で、自分が最も伝えたいことが明確になるからです。最初に題名を決めてしまうと、その題名に縛られて内容が浅くなってしまう可能性があります。
文章全体を通して最も印象的だった部分や、自分が一番伝えたい気持ちを題名に込めましょう。
清書が完成したら、再度音読してみる
清書が完成した後は、必ず全文を通して音読することをおすすめします。
この最終確認により、誤字脱字の発見はもちろん、文章全体の流れやつながりを確認できます。
声に出して読むことで、読み手の立場に立って自分の文章を客観的に見直すことができるのです。
最終的な音読では、「この文章で自分の気持ちが伝わるか」「読む人にとって分かりやすいか」という視点で確認しましょう。
例えば、「とても面白かったです。とても感動しました」のように、同じ表現が続いている場合は、「心に残りました」「深く考えさせられました」など、違う表現に変えることで、より豊かな文章になります。
完成した読書感想文を家族に聞いてもらうのも良い方法です。
私も新聞に載っている小中学生の作文コンクール入賞作品を見ることがありますが、やはり何が言いたいのかがハッキリ分かり、伝わる文章、心動かされる作品ばかりで「入賞する作文とは、こういうものか!」感心してしまいます。
コンクールの入賞とまでいかなくとも、「たかが夏休みの宿題」といわずに、せっかくなら人に伝わる文章、読む人の心を動かす読書感想文を書いてもらいたいですね。
読書感想文Q&A
Q : 読書感想文で、4年生は何文字くらい書くの?
A:800~1000字程度で書くことが多く、400字詰め原稿用紙で2枚~2枚半になります。
Q:読書感想文はパクってもいい?
A : これは絶対にダメです。他の文章をそのままコピペすることは著作権違反になりますし、先生が読むとすぐにバレてしまいます。またAIで書いた文章もそのまま貼り付けることもやめましょう。
他の文章を参考にする場合は、自分の知っていることや経験に置き換えて、自分の言葉で文章を書くようにしましょう。
Q : 読みたいという本が見つからない
A: まずは図書館や書店で表紙やタイトルから気になる本を手に取ってみましょう。最初の数ページを読んで、続きが気になるかどうかで判断するのがおすすめです。友達や先生に好きな本を聞いてみるのも良い方法です。
上記で説明したように図書館で借りることがオススメなので、選んだ本が図書館の蔵書にあるのかも確かめましょう。
Q : あれもこれもと書くことがまとまらない
A: 書きたいことを付箋に書き出して、「はじめ・なか・おわり」の3つに分けて整理しましょう。一番印象に残った場面を中心にして、他のエピソードは削ったり短くしたりすることで、読みやすい文章になります。
Q:下書きがまとまらない
A: 下書きは完璧を目指さず、思ったことを箇条書きで書き出すことから始めましょう。例えば「主人公がかわいそうだった」「自分も同じ経験がある」など、短い文でも構いません。後から文章をつなげて整えていけば大丈夫です。
Q:清書が上手く書けない
A: 清書は一度にすべて書こうとせず、1段落ずつ丁寧に進めることが大切です。疲れたら休憩を取り、集中できる時間に作業しましょう。間違えても消しゴムで丁寧に消して書き直せば、きれいに仕上がります。
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