「経済学部の志望理由書の書き方が分からない」そんな悩みを抱えていませんか?
経済学部の志望理由書は、社会課題の解決という視点で書けば、説得力のある志望理由書が完成します。
本記事では、単なる「お金儲けへの関心」ではなく社会貢献の意欲を示す書き方から大学・経済学部の800字での具体的な例文まで、あなたが「書けない」から「書ける」に変わる志望理由書作成法を詳しく解説します。
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大学の志望理由書(経済学部)の書き方
経済学部の志望理由書を書く際は、単純な「お金儲け」への関心ではなく、社会全体の仕組みを理解し課題解決に貢献する意欲を示すことが重要です。
以下のポイントを押さえて、説得力のある志望理由を組み立てましょう。
志望理由書の基本
まず志望理由書の書く基本は以下で紹介していますので、ご覧ください。

経営学部、商学部との違い
経済学は「社会」を考察するための学問であり、これが経営学部や商学部との大きな違いです。
経営学部が企業経営の戦略や組織運営を学ぶのに対し、経済学部では社会全体の経済システムや政策が人々の生活に与える影響を分析します。
例えば、コロナ禍の給付金政策やベーシックインカムなど、国民全体に関わる経済政策を理論的に検証するのが経済学の特徴です。
志望理由書では「企業で成功したい」ではなく「社会の経済課題を解決したい」という視点で動機を述べることで、経済学への理解を示せます。
この違いを明確にすることで、なぜ経済学部を選んだのかが読み手に伝わりやすくなるでしょう。
経済学部:経済の視点から社会課題を解決する方法を学ぶ
経営学部:企業経営の戦略や組織運営を学ぶ
商学部:市場の目線(企業と消費者の目線)で、お金や商品の動きを学ぶ
経済の仕組みを分析し、社会全体の動向を考える
経済学は数学や統計を用いて社会の複雑な現象を理論的に解明する学問です。
身近な例として、なぜ地域によって賃金格差が生まれるのか、税金を下げると本当に国民は豊かになるのかといった疑問に、データと理論で答えを探します。
重要なのは、簡単な解決策では済まない複雑さを理解することです。
「税金を減らせば皆が幸せになる」という単純な発想ではなく、財政への影響やインフレリスクなど多角的な視点から分析する姿勢が求められます。
志望理由書では、経済現象の背景にある複雑な要因を理解し、論理的思考で社会課題に取り組みたいという意欲を示すことが大切です。
この学問的な姿勢を表現できれば、経済学への適性をアピールできます。
「学びたい理由」と「解決したい社会問題」を明確にする
志望理由書で最も重要なのは、具体的な学習目標と社会貢献への意欲を示すことです。
「将来お金持ちになりたい」ではなく、「地方経済の格差是正に取り組みたい」「高齢化社会の社会保障制度を研究したい」など、解決したい社会課題を明確にしましょう。
その際、自分の体験を交えることで説得力が増します。
アルバイトで感じた地域格差、家族の介護で直面した社会保障の課題、ニュースで関心を持った国際経済問題など、身近な体験から経済学への関心が生まれたエピソードを盛り込むことが効果的です。
最終的に「経済学の知識を活かして、具体的にどのような形で社会に貢献したいか」という将来像まで描ければ、読み手に強い印象を与える志望理由書となるでしょう。
つまり個人的な視点ではなく、国家的な視点で考えることが必要です。またそこまでいかなくとも、県や市などの自治体目線で経済の視点からどう社会課題を解決したいのかという考えが重要です。
経済学部での志望理由、地域活性化とは
例えば地域活性化をテーマに経済学部を志望する際は、単純な観光振興や補助金活用ではなく、経済学的な視点から地域の課題を分析し、持続可能な発展策を探る姿勢が求められます。
以下の3つの観点から、説得力のある志望動機を構築していきましょう。
① 単にお金の流れを学ぶわけではない
経済学は単にお金の動きを追うだけの学問ではありません。
地域活性化において経済学的な視点が重要なのは、地域問題を理解し、より効率的に地域行政を行っていく上で役立つからです。
例えば、人口減少や高齢化といった地域課題に対し、経済学では資源の最適配分理論や人々の行動原理を用いて分析します。
観光地の入込客数増加だけでなく、地域住民の生活の質向上や産業構造の多様化まで含めた総合的な視点が必要です。
志望理由書では、地域の表面的な問題ではなく、その背景にある経済構造や社会システムに着目し、理論的な解決アプローチを学びたいという意欲を示すことが重要になります。
② 社会のために「なぜ経済学が必要か」という視点
地域活性化における経済学の役割は、個人の利益追求ではなく社会全体の福祉向上にあります。
地域活性化では人口の均等配分ではなく、地域と都市の相互補完的な経済成長のあり方を考える必要があるように、単純な解決策は存在しません。
税制優遇や補助金投入といった短絡的な政策ではなく、地域の産業構造や人材流動、社会インフラなどを総合的に分析する経済学的思考が不可欠です。
志望理由書では「地元を元気にしたい」という感情論ではなく、なぜ経済学の理論と分析手法が地域課題の解決に必要なのかを論理的に説明できれば、学問への深い理解を示すことができるでしょう。
志望理由書を書く段階で解決策が出てくることはありませんし、もし解決策が出てくれば経済学部で学ぶ必要はないので、経済学部で学ぶ姿勢や適性があるということを示してください。
③ 理想主義ではない地域活性化の実現
真の地域活性化には、理想論ではなく現実的な経済分析に基づく戦略が必要です。
地域の成功には複雑な要因が絡み合い、成功事例を説明できる人は稀であるように、地域課題は多面的で解決困難な問題です。
「観光客を増やせば地域は活性化する」「企業誘致さえできれば雇用が生まれる」といった単純な発想ではなく、地域固有の資源や産業構造、人口動態などを詳細に分析し、持続可能な成長モデルを構築する視点が重要になります。
志望理由書では、自分の地域体験から見えた具体的な課題を挙げ、それを経済学的手法で分析・解決したいという現実的なアプローチを示しましょう。
夢物語ではない、データと理論に裏打ちされた地域再生への取り組み意欲が評価されるポイントです。
大学の志望理由書、経済学部での800字例文
志望理由書の成功には、具体性と論理性が不可欠です。失敗例と成功例の違いを理解し、800字の例文を参考に、読み手に響く志望理由を書きましょう。
失敗例文
【問題点】
この例文の最大の問題は、経済学の本質を理解していないことです。
「経営者になりたい」という個人的な願望が動機となっており、社会貢献の視点が欠けています。
「テレビで見た社長への憧れ」は表面的で、学問への理解不足を露呈しています。具体的な学習計画もなく、「頑張って勉強」という抽象的な表現に留まっているため、志望理由書として説得力に欠けます。
OK例文
【評価点】
この例文は体験に基づく具体的な問題意識から出発し、経済学で解決したい社会課題が明確です。
個人の利益ではなく社会貢献を志向している点、複合的な視点で問題を捉えようとする経済学的思考も示されています。
志望校の特色も調べており、学習への具体的な計画も見えるため、説得力のある志望理由となっています。
800字の例文
私は地域経済の持続可能な発展モデルの構築に貢献するため、貴学経済学部を志望する。私の出身地である山間部の小都市は、製造業の海外移転と少子高齢化により深刻な経済的衰退に直面している。商店街の空洞化、若年層の人口流出、税収の減少といった課題は相互に関連し合い、従来の観光振興や企業誘致といった対症療法的な政策では根本的な解決に至っていない。
高校時代に参加した地域活性化プロジェクトで、地元商工会議所の方々と協働し、商店街の現状調査を実施した経験から、地域経済の課題は単一の要因によるものではなく、産業構造、人口動態、社会インフラ、教育制度などが複雑に絡み合った構造的問題であることを理解した。地域経済学と行動経済学の知見を活用すれば、住民や事業者の意思決定メカニズムを理解し、効果的な政策設計が可能になると考えている。
貴学では、第一に地域経済論と産業立地論を履修し、地域の比較優位性と産業集積について理論的基盤を築きたい。特に内生的成長理論と新経済地理学の視点から、人的資本の蓄積と技術革新が地域経済に与える影響を研究したいと考えている。第二に、実証経済学の手法を習得し、統計データを用いた地域間格差の要因分析に取り組みたい。貴学の地域政策研究センターでは、自治体との共同研究プロジェクトが活発であり、理論と実践を結びつけた学習環境が整っていることも志望理由の一つである。
将来的には地方自治体の政策立案部門で働き、根拠に基づいた地域政策の策定に携わりたいと考えている。単なる補助金の配分や一時的な雇用創出ではなく、地域固有の資源と人材を活用した持続可能な成長戦略の構築を目指したい。そのために大学では、経済学の専門知識の習得はもちろん、地域の実情を理解するためのフィールドワークにも積極的に参加し、理論と現実の橋渡し役となれる人材を目指したい。(770字)
Claude(AI)による例文の解説
第1段落:問題提起
【優れている点】
- 「製造業の海外移転と少子高齢化」という現代日本の構造的問題を正確に把握
- 「商店街の空洞化、若年層の人口流出、税収の減少」の相互関連性への言及が的確
- 「対症療法的な政策では根本的な解決に至っていない」という批判的視点が秀逸
【改善の余地】
- 冒頭の「貢献するため」という表現がやや抽象的。より具体的な貢献内容に言及できればより良い
第2段落:体験と気づき
【優れている点】
- 「地域活性化プロジェクト」という具体的な体験を提示
- 商工会議所との協働という実践的な活動内容
- 「構造的問題」への理解が深く、学問的視点の芽生えが感じられる
- 地域経済学と行動経済学への言及が適切で、学習への明確な方向性を示している
【特に評価できる点】
- 単純な原因論ではなく、複合的要因への理解を示している点
第3段落:学習計画
【優れている点】
- 「地域経済論」「産業立地論」「内生的成長理論」「新経済地理学」など、具体的な学問領域を挙げている
- 「実証経済学の手法」への言及で、理論だけでなく分析手法の習得意欲を示している
- 「地域政策研究センター」という具体的な施設名で、大学研究への理解を表明
- 「理論と実践を結びつけた学習環境」への評価が的確
【改善提案】
- 学習計画がやや羅列的。各分野の関連性や学習順序についてより体系的に述べられると更に良い
第4段落:将来展望
【優れている点】
- 「根拠に基づいた地域政策」という表現で、エビデンス・ベースド・ポリシーへの理解を示している
- 「単なる補助金の配分や一時的な雇用創出ではなく」という批判的視点が優秀
- 「地域固有の資源と人材を活用」で内発的発展論への理解を暗示
- 「理論と現実の橋渡し役」という表現で、実務と学問の統合への意欲を示している
【主な改善提案】
- 冒頭の「貢献」についてより具体的な内容を追加
- 学習計画部分での各分野の関連性をより明確に
- 一部の長い文をより簡潔に調整
【特に評価される点】
- 現代日本の地域経済問題への深い理解
- 理論と実践の両面への関心
- 具体的な体験に基づく学習動機
- 将来への明確なビジョン
【総合評価】
この志望理由書は非常に高い水準にあります。具体的な問題意識、体験に基づく学習動機、明確な学習計画、現実的な将来目標が一貫して述べられており、経済学部への志望理由として十分な説得力を持っています。
志望理由書や試験までに行うこと
経済学部の受験で差をつけるためには、日常的な情報収集と知識の蓄積が欠かせません。
スマートフォンのニュースアプリは情報が断片的になりがちなため、体系的な理解には新聞や雑誌の活用が効果的です。
毎日新聞を読む習慣がない場合は、週刊誌『AERA』から始めることをお勧めします。
政治・経済から社会問題まで幅広いテーマを写真付きで解説しており、経済学部志望者にとって必要な基礎知識が効率的に身につきます。
同時に『現代用語の基礎知識』を併用し、過去から現在までの重要な経済用語や社会現象を体系的に学習しましょう。
これらの取り組みを毎日30分、3か月ほど継続すれば、志望理由書の内容が格段に向上し、面接や小論文での対応力も大幅に強化されます。
これらのを読む際は、個々の記事に対する自分の考えを簡単にでも書いておき、分からない用語があれば調べて分かるようにしておきましょう。
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