自由研究で何をすればいいか分からない、どうまとめればよいか分からないと悩んでいませんか?
「面白いテーマが見つからない」「実験結果をうまく論文にできない」そんな不安を抱える小学生・中学生も多いでしょう。
この記事では、「簡単で面白い自由研究のテーマ5選」と、面白い自由研究テーマの選び方を具体的に解説します。
さらに、自由研究を論文形式にまとめる方法も紹介。
本記事の方法で結果をまとめれば、提出までの準備はバッチリです!
関連記事

簡単で面白い自由研究(5選)
簡単に手に入る材料で、楽しく実験できるテーマを5つ紹介します。どれも短時間で結果が見えるので、夏休みの自由研究にぴったりです。
① ペットボトルの雲
身近なペットボトルを使って、本物の雲を作ることができます。
必要な材料は、500mlのペットボトル、ぬるま湯、線香だけです。
まず、ペットボトルの底から1cmほどまでぬるま湯を入れて、線香の煙を5秒間入れてしっかりとフタをします。
次に、ペットボトルを両手で力いっぱい潰すと中が透明になり、急に手を離して元に戻すと白い雲が現れるのです。
これは、空気が急激に膨張することで温度が下がり、煙の粒子を核として水蒸気が水滴に変わる現象です。実際の雲ができる仕組みと同じで、気象学の基本を体感できる実験といえるでしょう。
② もし一日電気が使えなかったら
普段何気なく使っている電気について、実際に使わない生活を体験してみる調査研究です。
まず、家の中にある電気製品をすべて書き出し、それぞれの消費電力を調べます。電気使用量のお知らせや電力会社のサイトから、1日あたりの平均電力使用量も計算してみましょう。
そして実際に1日、できるだけ電気を使わずに過ごしてみるのです。
照明、冷蔵庫、エアコン、テレビなど、電気なしでは困ることがたくさん見つかります。
災害時の停電対策についても調べることで、防災意識を高められます。現代社会における電気の重要性を実感できる、社会性のある研究テーマです。
③ 水のボールを作る
食べられる材料で、ぷるぷるの水ボールを作る化学実験です。
アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムという食品添加物を使います。
まず、水1カップにアルギン酸ナトリウム1gを溶かしてとろみをつけ、15分置いて気泡を抜きます。
別のボウルに水4カップと乳酸カルシウム5gを混ぜた溶液を作ります。アルギン酸ナトリウム溶液をスプーンですくって、乳酸カルシウム溶液にそっと入れると、表面に薄い膜ができて水ボールの完成です。
これは、二つの物質が反応して薄い膜を作る現象で、実際に環境に優しい容器として研究されている技術でもあります。見た目も美しく、化学反応の不思議さを実感できる実験です。
④ 音と振動の関係
身の回りの材料で音の正体である「振動」を調べることができます。
まず、プラスチックのものさしを机のはしに半分出るように置いて押さえ、はみ出した部分を指ではじいてみましょう。
出ている長さを変えると音の高さが変わることがわかります。
次に、空き箱に輪ゴムをかけて指ではじくと、ギターのような音が出ます。輪ゴムを引っ張って張り具合を変えたり、太さの違う輪ゴムを使ったりすると、音の高さが変化するのです。
これは振動の速さ(振動数)が音の高低を決めているためです。
さらに、口の前にプラスチックコップを持って高い声や低い声を出すと、コップが異なる振動をします。音楽の仕組みを科学的に理解できる、楽しい実験テーマです。
⑤ 水をきれいにする、ろ過器をつくる
ペットボトルと身近な材料で、泥水をきれいにするろ過器を作る実験です。
500mlのペットボトル2本、脱脂綿、ガーゼ、小石、砂利、砂、活性炭を用意します。
ペットボトルの底を切り取って逆さまにし、上から順に小石、砂利、活性炭、砂、ガーゼの層を作ります。
この手作りろ過器に泥水を通すと、各層で汚れが取り除かれて、きれいな水が出てきます。
大きな汚れは小石や砂利で、細かい汚れは砂で、においや色は活性炭で取り除かれる仕組みです。災害時の生活用水確保や、浄水場での水処理技術について学ぶきっかけにもなる、実用性の高い研究テーマといえるでしょう。
自分の興味があり続けられそうなこと
自由研究で最も大切なのは、自分が本当に興味を持てるテーマを選ぶことです。
紹介した5つのテーマはあくまで例であり、身の回りには他にもたくさんの不思議があります。「なぜだろう?」「どうなっているんだろう?」と疑問に思ったことがあれば、それが最高の研究テーマになるのです。
植物の成長、動物の行動、料理の変化、天気の観察など、日常生活の中にヒントは溢れています。また、好きなことや得意なことと関連付けると、より深く調べたくなるものです。
スポーツが好きなら体の動きや道具について、音楽が好きなら音の性質について研究してみましょう。継続して取り組めるテーマこそが、充実した自由研究につながります。
私も小中学生のときそうでしたが、壮大なテーマでも興味が持てない、夏休み中で終わらないテーマだとやる気をなくしてしまいますよね。
一見、取るに足らない、あたりまえと思える現象や出来事でも、突き詰めてみると新たな発見があるかもしれません。
面白い自由研究テーマでのまとめ方
自由研究を成功させるには、実験の進め方と結果のまとめ方が重要です。前段階の準備と整理をすることで、科学的思考力が身につきます。
そのテーマを選んだきっかけや理由を書く
自由研究の冒頭では、なぜそのテーマを選んだのかを明確に書きましょう。
日常生活で感じた疑問や興味深い現象との出会いが、研究のスタートラインになります。例えば「雨の日にコップが曇るのはなぜだろう」「植物はなぜ太陽の方を向くのか」といった素朴な疑問から始まることが多いものです。
また、テレビや本で見た実験に興味を持ったり、学校の授業で習ったことをもっと詳しく調べたいと思ったりするケースもあるでしょう。
自分の体験や感情と結びつけて書くことで、読む人にとってもわかりやすく、共感しやすい内容になります。研究への情熱や好奇心が伝わる文章を心がけることが大切です。
実際に行う前に、理由をもとに仮説を立てる
実験を始める前に、結果を予想して仮説を立てることが科学研究の基本です。
これまでの知識や経験をもとに「○○すれば、△△になるだろう」という予想を具体的に書きます。
例えば「氷を入れたコップが曇るのは、冷たい表面で空気中の水蒸気が水滴になるからだと考えられる。温度差が大きいほど、より多くの水滴ができるのではないか」といった具合です。
仮説を立てる理由も合わせて説明すると、論理的な思考過程が明確になります。間違った予想でも全く問題ありません。
むしろ、予想と違う結果が出たときの方が、新しい発見につながることが多いのです。仮説があることで、実験の目的がはっきりし、観察すべきポイントも見えてきます。
実験した結果、どうなったか?
実験で得られた結果は、できるだけ具体的な数値やデータで記録します。
温度、時間、回数、色の変化など、測定できるものは必ず測って記録しましょう。
そして、なぜその結果になったのかを科学的に説明することが重要です。
例えば「コップが曇り始めたのは室温25度から15度に下がった時点で、その理由は空気が冷やされて水蒸気を保持できる量が減少したため」といった具合に、原因と結果を明確に結びつけます。
写真や図、グラフを使って視覚的にわかりやすく示すのも効果的です。
複数回実験を行った場合は、毎回同じような結果が得られたかどうかも記録し、実験の信頼性を高めましょう。
実験から分かったこと
実験を通して新たに理解できたことを整理してまとめます。
仮説が正しかったか間違っていたかを振り返り、その理由を考察するのです。予想通りの結果が得られた場合は、その理論の正しさが確認できたことになります。
一方、予想と異なる結果が出た場合は、なぜ違ったのかを分析することで、より深い理解が得られるでしょう。
実験の過程で気づいた新しい疑問や発見も記録します。例えば「湿度によってコップの曇り方が変わることがわかったが、湿度以外の要因はないだろうか」といった次の研究につながる疑問も大切です。
失敗や思わぬ結果も含めて、すべての気づきが学習の成果となります。
まとめ
研究で得られた知識や発見が、実際の生活や社会でどのように役立つかを考えて書きます。
単なる実験で終わらせるのではなく、その成果を応用できる場面を具体的に提示することで、研究の価値がより明確になるのです。
例えば、結露の実験から学んだことを「窓ガラスの結露を防ぐ方法」や「効率的な除湿対策」に応用できると説明します。
また、環境問題の解決、新しい技術の開発、日常生活の改善など、様々な分野への貢献可能性を考察してみましょう。
さらに、この研究をきっかけに今後調べてみたいことや、発展させたい研究テーマについても触れると良いでしょう。科学研究が社会に与える影響の大きさを実感できる、有意義なまとめになります。
自由研究・結果の論文形式でのまとめ方(テンプレート)
自由研究を本格的な論文形式でまとめることで、他の人に伝わりやすい資料にできます。各項目を順序立てて書くことが重要です。
書く際は以下のテンプレートに沿って書いてみてください。
研究のテーマ
研究のテーマは、何について調べたのかを明確に示すタイトルです。
読む人が一目でわかるように、具体的で簡潔な表現を心がけましょう。
例えば「植物の観察」ではなく「日当たりの違いが植物の成長に与える影響」のように、調べる内容と目的を含めて書きます。
また、疑問文の形で「氷の溶け方は形によって変わるのか?」と表現するのも効果的です。
テーマ設定では、自分が本当に知りたいことは何かを深く考えることが大切になります。漠然とした興味から始まっても、具体的に何を明らかにしたいのかを絞り込むことで、研究の方向性がはっきりします。
良いテーマは研究全体の質を決める重要な要素といえるでしょう。
研究の動機
なぜそのテーマを選んだのか、その研究をしたいと思ったきっかけを書きます。
日常生活での疑問や驚き、テレビや本で見た興味深い現象など、研究への出発点となった体験を具体的に描写しましょう。
例えば「お風呂で石鹸の泡が長持ちするものとすぐに消えるものがあることに気づいて、なぜ違いがあるのか知りたくなった」といった具合です。
自分の言葉で素直に書くことが大切で、難しい表現を使う必要はありません。研究への情熱や好奇心が伝わる文章にすることで、読む人も研究内容により興味を持ってくれます。
動機は研究の原動力であり、その後の取り組み姿勢にも大きく影響する重要な部分です。
研究のねらい
その研究を行うことで得られるメリットや、社会への貢献について書きます。
単に「知りたいから」ではなく、その知識がどのように活用できるかを具体的に考えましょう。
例えば「効果的な洗剤の選び方がわかれば、家庭での掃除がより効率的になる」「植物の成長条件を理解すれば、家庭菜園での収穫量を増やせる」といった実用性を示します。
また、環境保護、省エネルギー、健康増進など、より広い視点での社会的意義も考えてみてください。
研究の価値を明確にすることで、取り組む意欲も高まりますし、読む人にとっても研究の重要性が理解しやすくなります。
未来への貢献可能性を示すことで、研究に深みが生まれるでしょう。
準備するものと実験・観察方法の明記
実験に必要な材料や道具を詳しく書き、なぜそれらが必要なのかも説明します。
次に、実験前に立てた仮説と具体的な実験手順を記録しましょう。
例えば「温度が高いほど氷は早く溶けると予想し、20度、30度、40度の環境で同じ大きさの氷を溶かして時間を測定した」といった具合です。
実験結果は数値やグラフで正確に示し、仮説との違いがあった場合はその理由を考察します。
複数回実験を行って結果の信頼性を確認することも重要です。失敗や予想外の結果も貴重なデータとして記録し、なぜそうなったかを分析しましょう。
科学研究では、予想通りにならない結果からこそ新しい発見が生まれることが多いのです。
まとめ
実験で得られたデータを分析し、そこからわかったことを段階的にまとめます。
単に結果を羅列するのではなく、なぜその結果になったのかを理由を示して説明しましょう。
例えば「氷の溶解時間は温度が10度上がるごとに約30%短縮された。これは分子の運動が活発になることで熱の移動が促進されたためと考えられる」といった具合です。グラフや図表を使って視覚的にわかりやすく示すことも効果的になります。
また、実験の限界や改善点についても触れることで、より客観的な分析ができるでしょう。
データから導き出された結論が、当初の仮説とどう関係するかも明確に述べることが大切です。
感想と課題
研究を通して感じたことや学んだことを率直に書きます。
うまくいったことだけでなく、困ったことや失敗から得た教訓も含めましょう。
また、時間や材料の制約で調べきれなかった部分や、新たに生まれた疑問についても記録します。
例えば「氷の形による溶け方の違いも調べてみたい」「他の液体でも同様の現象が起こるか確認したい」といった発展的な研究テーマを提示するのです。
研究の過程で気づいた改善点や、より正確な実験を行うためのアイデアも書き加えましょう。
これらの課題は、あなたの研究を引き継ぐかもしれない研究者が参考にできる貴重な情報となります。研究は一度で完結するものではなく、継続的な探求の一部であることを示す重要な項目です。
コメント